米ブロケード コミュニケーションズ システムズは米国時間の11月5日、ソフトウェアルータを開発する米Vyattaを買収することを明らかにした。
米ブロケード コミュニケーションズ システムズは米国時間の11月5日、ソフトウェアルータを開発する米Vyattaを買収することを明らかにした。買収金額は明らかにされていない。
Vyattaはオープンソースのソフトウェアルータ「Vyatta」を開発、提供している。Vyattaにはオープンソース版と商用版があるが、いずれもDebian GNU/Linux上に、ルーティングデーモンである「Quagga」、ファイアウォールやNATとして動作する「iptables」、IPSやURLフィルタリングを行う「Snort」といったオープンソースのソフトウェアを搭載し、ソフトウェアルータを実現している。専用のハードウェアと独自OSの組み合わせによる商用ルータに比べ、ソフトウェアベースで柔軟な制御が可能なこと、x86ベースのマシンだけでなく、VMwareやXenといった仮想マシン上でも動作することなどが特徴だ。
ブロケードはこれまで、ファブリックネットワーク構想を掲げて製品を投入してきた。Vyattaの買収により、こうした技術をハイパーバイザ環境にも拡張し、「ソフトウェアネットワーキング分野における技術革新およびビジョン・リーダーになる」(ブロケードCEO マイケル・クレイコー氏のプレスリリースのコメントより)ことを目指す。
同時に、ネットワーク仮想化の次の段階において必要不可欠と位置付ける、ソフトウェアネットワーキング技術も手に入れることになる。Vyattaは買収後、ルーティング/アプリケーション・デリバリ&ソフトウェア・ネットワーキング・グループ担当バイスプレジデントを務めるケン・チェン氏が統括する、ソフトウェア・ネットワーキング・ビジネスユニットに統合される。
ブロケードでは、2012年末までに買収手続きを完了する予定だ。
なおこの買収に際して、VyattaのMatt Wolpin氏は、「今後もオープンソースコミュニティをサポートする」という声明文を公開している。
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