続いて、ズルいテキストシャドウです。背景に対して、活版印刷のように浅く彫り込んであるように見えるテキストシャドウをズルいテキストシャドウと呼んでいます。ズルい線と同じく、「実物」に近い存在感を与えるのに効果的な手法です。
光源とは逆方向に向かって、黒い影を付けます。透明度は背景色の濃さに応じて調整します。
背景色 #333の場合
text-shadow: 1px -1px 0 rgba(0,0,0,1);
背景色 #B0430B(赤)の場合
text-shadow: 1px -1px 0 rgba(0,0,0,.5);
光源と同じ方向に向かって、白いハイライトを付けます。透明度は背景色の濃さに応じて調整します。
背景色 #EEEの場合
text-shadow: -1px 1px 0 rgba(255, 255, 255, 1);
背景色 #FFC300(黄)の場合
text-shadow: -1px 1px 0 rgba(255, 255, 255, .4);
ズルいテキストシャドウの作り方のポイントを簡単にまとめると以下のようになります。
濃い背景色+白抜き文字のテキストシャドウ(黒いシャドウ)
変数 $opでテキストシャドウの透明度を指定します。よく使う透明度をデフォルトで設定します。
@mixin ts-000($op : .4){ text-shadow: 1px -1px rgba(0, 0, 0, $op); }
薄い(白に近い)背景色+濃い色の文字のテキストシャドウ(白いシャドウ)
@mixin ts-fff($op : .7){ text-shadow: -1px 1px rgba(0, 0, 0, $op); }
利用するときは、テキストに対して以下の1行を追加するだけで、テキストシャドウが適用されます(濃い背景色+白抜き文字のテキストシャドウ(黒いシャドウ)を透明度0.2で)。
@include ts-000(.2)
前編の最後は、ズルい背景です。背景に敷くだけで、一気にデザインクオリティがアップしてしまう背景パターンを「ズルい背景パターン」と呼んでいます。
以下のような背景パターンです。
ノイズ、木目調、紙、布、細かいドットなどです。これらをうまく使うだけで、クオリティがグッと上がって見えます。線やテキストシャドウと同じく、「実物」に近い存在感が出るからです。
上記のような背景パターンをまとめると、以下のような特徴があります。いずれも、中のコンテンツを邪魔しないように控えめでありながら、緻密で存在感のあるものといえるでしょう。
一方で、使いづらい背景パターンの特徴も挙げてみます。
強い柄、強い色のものは、中身のコンテンツ要素と衝突してしまうため、うまく使わないと素人っぽくなりやすいので注意が必要です。
ほとんど白に見えるほどの明るいグレーを「ズルいグレー」と呼んでいます。ズルいグレーは白地の代わりに使えますが、これらに、ズルい線やズルいテキストシャドウを載せると、ほのかに立体感が出て、画面に高級感や存在感が増します。本当の白(#FFF)と並べて使うと、微妙な色の違いがオシャレです。
後編は、グラデーション、角丸、ボックスシャドウ、ボタンなどのズルい作り方、使い方について解説していきます。
赤塚 妙子twitter:@ken_c_lo フリーランスのWebデザイナー、グラフィックデザイナー。Webサービスのデザイン、UI・IA設計、コーディング実装から、コンテンツ企画・編集、ディレクション、紙媒体のデザイン、装丁等幅広く手掛ける。犬とSassとHamlが好き。エディタはVim(初心者)。
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