3月1日、ものづくりを愛する起業家のためのコワーキングオフィス「MONO」が東京都臨海副都心にオープンした。
後藤建築事務所は3月1日、ものづくりを愛する起業家のためのコワーキングオフィス「MONO」をテレコムセンタービル東棟14階にオープンした。本事業は、東京都臨海副都心MICE拠点化推進事業の一部として、国内およびアジア各国の起業家への起業・経営・進出支援を目的としたものである。
MONOは、スタートアップやフリーランス、個人事業主を対象とし、3DプリンタやCNCなどの工作機械、オシロスコープ・定圧化電源などの電子機器設備を完備し、入居者に無料で提供する。また、コワーキングオフィスとしては珍しいシャワー室や仮眠室なども設置されている。入居にあたっては、「固定席プラン(3万1500円/月)」「フリー席プラン(2万1000円/月)」「1dayドロップイン(2000円)」の3つのプランが用意されている。
後藤建築事務所 代表取締役 後藤英逸氏は、「ひだまりの中で何かを話し合い、そこから何かが生まれていくような場にしたい」と話す。訪れた企業が、このオフィスで何かを作っている人を見つけて声をかけやすいような空間設計を心掛け、「縁の下の力持ち」が活躍できるような環境づくりを目指したという。
今回の取り組みの1つとして特に注目すべき点は、MONOの立ち上げメンバーである。MONOの立ち上げメンバーの1人駒菜穂子氏は、大学在学中にソーシャルリクルーティングサイト「Wantedly」でメンバーの求人を見付けたそうだ。もともとものづくりに興味があった彼女は、アメリカ留学から帰国後、今回のプロジェクトにコミットしたという。こういった取り組みに、社員ではなく外部からメンバーを募るという試みも大変興味深い。
また、協力機関として、東京テレポートセンターや東京都立産業技術研究センター、新銀行東京、東京商工会議所が関わっていることにも、大きな可能性が見える。MONOの企画・運営サポートに携わるSamurai Incubate Inc. 代表取締役CEO 榊原健太郎氏は、「『官』と『民』のITの壁を壊し、新しいものづくりの場を提供したい」と述べている。
こうした取り組みに関心を持つのは、従来はどちらかというと若者層が多かった。しかし、今回のオープンに向けて開催されたオープニングパーティの参加者は年齢層が高く、法律事務所や監査法人といったIT業界とは少し離れた業界の関係者も多数訪れていたのが印象的だった。今回のような「官」「民」「年齢」「業界」の枠を超えた取り組みが今後も増えていくことを期待する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.