3月1〜2日、「Rails Girls Tokyo」が開催された。女子力あふれるイベントの様子をレポートする。
3月1〜2日、「Rails Girls Tokyo」が開催された。Rails Girls Tokyoは、Ruby on Railsを学びたい女性初心者を対象としたワークショップ型イベント。環境設定からWebアプリ構築までを目標とし、Rails Girls 3人に対し約1人のコーチが付くというVIP体制で行われた。
オープニングでは、Rails Girls創始者の1人リンダ(Linda)氏と各地でコーチを務めるテレンス(Terence)氏からのメッセージが届いた。Rails Girlsが初めて行われたのは、2010年、フィンランドの首都、ヘルシンキ。現在では、ベルリンやポーランド、アムステルダム、シンガポール、上海など、グローバルなコミュニティとして広がりを見せているRails Girlsだが、リンダ氏は「最初は、まさかプログラミングに興味を持つ人がこんなにたくさんいるとは思わなかった」と当時のことを振り返る。東京で初めて開催されたのは2012年。今回は2回目の開催となる。
イベントの初日は、「インストール・ ディ」。WindowsチームとMacチームに分かれ、自分のパソコンにRubyとRailsをインストールする。集まった25人のGirlsは、こうしてRails Girlsとしての最初の一歩を踏み出した。
集まった参加者のバックグラウンドはさまざまだ。仕事でテストを行っている人や、普段は医療機器メーカーに務めていてプログラミングとは無縁という人、中にはPHPとJavaScriptのプログラマとして働いている女性もいた。彼女たちの参加動機を聞くと、「会社では、硬派なJavaやPHPを使っているが、知人から『Rubyが今めっちゃ流行ってる!』と聞いて興味を持った」「『初めてやるならRubyがいい』と友人から誘われた」「Rubyはコミュニティ全体が熱く、Rails Girlsのように熱心な勉強会が多い。また、環境も整っており、情報がたくさんあるところが魅力。もしここでRubyを学べたら、持ち帰って別のところでも使えるかもしれない」と目をキラキラさせていた。参加者の言葉から、「Ruby on Rails は華やかな世界」という印象と、強烈な“口コミ力”を感じた。
一方、今回のRails Girls Tokyoのオーガナイザー鳥井雪氏は、この取り組みについて、「海外では、『女性の技術力がなく、仕事に就けない』といった切実な理由もあり、このようなイベントが行われている。日本では、そのような事例は少ないが、女性のプログラミング人口が少ないことは同じ。モノを作る技術や楽しみを、もっと多くの女性に知ってほしい。難しい・こわいと恐れず、自分にもできるということを伝えたい。男性だから、女性だからと特にこだわっているわけではなく、もっと多くの人にモノを作る楽しさを知ってほしい」と語る。
鳥井氏が「モノを作る楽しさを知ってほしい」と言う意味には、自分が作ることだけを示すものではなく、「モノづくりへの理解」ということも含まれていた。昨年行われた第1回のRails Girls Tokyoでは、こんなエピソードがあったそうだ。
――ある夫婦がいた。夫は、よく勉強会へ行っていた。しかし、妻は夫がなぜ勉強会にいくのかを理解できなかった。しかし、夫に勧められ、妻はRails Girls Tokyoに参加した。それ以来、夫が勉強会に参加したいという気持ちが分かるようになった。――
こうして、今年もRails Girls Tokyoから25人のRails Girlsが誕生した。当日行われた初心者向けの環境設定やアプリケーション作成法などは、今後連載として掲載する予定だ。
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