プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年4月版が公開された。Pythonの独走が続く一方で、元トップ20のKotlin、Ruby、Swiftが苦戦している。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年4月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年4月のランキングでは、「Python」が23.08%のレーティングで首位を維持し、2~6位は「C++」(10.33%)、「C」(9.94%)、「Java」(9.63%)、「C#」(4.39%)、「JavaScript」(3.71%)となった。
Pythonのレーティングは2025年2月にPythonとして過去最高の23.88%に達し、その後も高水準で推移している。2位のC++との差は2024年12月に、TIOBEインデックス史上最大の13.02ポイントに広がり、以降も12ポイント台と大差がついている。
2025年4月にはCとJavaの順位がこれまでと入れ替わり、Cが2024年8月以来の3位、Javaが同4位となった。2024年6月以来、Python(1位)、C++(2位)、C#(5位)、JavaScript(6位)は同じ順位となっている。
また、「Go」(3.02%)は2025年2月を除けば、2024年11月以降、Goとして過去最高の7位を維持している。
「Kotlin」「Ruby」「Swift」は、いずれも最近までTIOBEインデックスでトップ20の地位を保っていた。だが、2024年12月以降はこれらのうち2言語のみがトップ20入りするようになり、2025年4月には3言語ともトップ20から脱落した。
TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、これについて次のように解説している。「KotlinとSwiftの人気が衰退している理由は同じだ。両者はそれぞれAndroidとiOSというモバイルプラットフォーム向けに主に使われている。だが、最近では、クロスプラットフォーム開発に対応した十分に優れた言語やフレームワークが他にもある。SwiftはAndroid開発にも使えるが、かなり難しい。KotlinはiOS向けにはあまり普及しなかった。一方、Rubyは長年、Pythonや『Perl』と競合してきた。Perlは人気が落ちてきたが、Rubyは安定していた。だが、Pythonがプログラミング界の共通語になった今、Rubyに残された余地はあまりない」
さらにジャンセン氏は、これまでと比べて、使用されるプログラミング言語が絞られてきていることも指摘している。「2025年4月現在、TIOBEインデックスの上位20言語は市場全体の83.56%を占めている。これは非常に高い数字で、従来は通常、75%程度だった。これは、市場がやや保守的になり、新しい技術を試すよりも、実績のある技術を好んでいることを示している」
TIOBE Softwareは21~50位のランキングも公開している。
以下のリストは、51位から100位のプログラミング言語を示している。これらの言語のランキング差は比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。
「ActionScript」「Algol」「Alice」「Apex」「APL」「Applescript」「CHILL」「Clipper」「CLIPS」「Clojure」「Curl」「Eiffel」「Elm」「Erlang」「F#」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「JScript」「LabVIEW」「Ladder Logic」「Modula-2」「Mojo」「MQL5」「NATURAL」「Nim」「Oberon」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「PL/I」「Q」「Racket」「Raku」「Ring」「RPG」「S」「Scheme」「Smalltalk」「SPARK」「Stata」「Tcl」「Transact-SQL」「Vala/Genie」「VHDL」「Wolfram」「XSLT」
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Coding Edge 險倅コ九Λ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー