Windows OSにも標準でサポートされているMicrosoftのオンラインストレージサービス「OneDrive(ワンドライブ)」。iPhoneやAndroid、Macなどともファイルの共有が可能だ。その仕組みや同期、共有といった機能、メリットを解説する。
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■記事内目次
ファイルの保存や共有などで、インターネット上のストレージサーバ「オンラインストレージサービス」を利用している人も多いのではないだろうか。複数のデバイスでファイルが共有できたり、大事なファイルのバックアップを取ったり、といった用途で重宝する。特にリモートワークが増えて、自宅で作業したファイルを、会社のPCに転送するといった用途で利用が増えている人も多いと思う。
一定容量までなら無料で利用できるサービスに限っても、「Dropbox」や「Googleドライブ」「Box」「Yahoo!ボックス」など多くの選択肢がある。また、Windows 8.1以降、Windows OSではオンラインストレージサービスとしてMicrosoftの「OneDrive(ワンドライブ)」が標準機能として実装されており、Windows 10やWindows 11では初期設定の際にOneDriveへのサインインが促されるようになっている。
ただ、OneDriveをどうやって使っていいのかよく分からない、という人もいることだろう。本稿ではこのOneDriveを個人で利用するという前提で、何ができるのか、どういった特長があるのか、どういう仕組みなのか、探ってみる。
OneDriveや前述のオンラインストレージサービスでは、個人向けプランの他、複数人利用を前提としたビジネス向けプランが用意されている。本稿では特記しない限り、個人向けプランを前提として解説する。
なおOneDriveのより進んだ活用方法については、関連記事「WindowsでOneDriveを活用するためのテクニック集」を、またMicrosoftの公式情報はOneDriveのWebサイトをそれぞれ参照していただきたい。
「OneDrive」はMicrosoftが提供しているオンラインストレージサービスだ。複数の機器の間で同じファイルを簡単に共有したり、第三者にファイルを公開したりといった機能を提供している。
OneDriveと連携しているWindows PCやMacでファイルを作成すると、同期機能によって自動的かつ速やかにOneDriveのオンラインストレージにコピーされ、同じく連携している別のPCにも同期される。スマートフォン/タブレットからも閲覧や編集ができる。
インターネット上にあるOneDriveのオンラインストレージにアクセス可能であれば、いつでもどこでもこのファイル同期は実行できる。例えば、外出先で作業したファイルをOneDriveで同期しておき、帰宅後に自宅のPCでそのファイルを用いて作業を続行する、といったことも可能だ。
OneDriveは以下の機器で利用できる。
詳細は以下のページを参照していただきたい。
これらのプラットフォームには、OneDriveをサポートする専用アプリ(以下、OneDriveアプリ)が無償で提供されており、インストールするとOneDrive上のファイルの操作ができるようになる。
OneDriveのオンラインストレージは、Microsoftアカウントを作成することで、5GBまで無料で利用可能だ。
また月額224円で100GBまでのストレージ容量が提供される「OneDrive Standalone 100GB」という有料プランもある。
さらに、月額1,284円で(以前のOffice 365 Soloを含む)Microsoft 365 Personalを契約すると、1TBまでのOneDriveが利用できる、いわば特典がある。他のオンラインストレージに若干上乗せする料金で、Microsoft Excel(エクセル)やMicrosoft Word(ワード)といったMicrosoft Officeアプリが利用できるので、その分OneDriveの方が割安とも考えられる。
料金の詳細は以下のページを参照していただきたい。
Windows PCやMacの場合、OneDriveアプリがインストール済みであれば、OneDriveのことをほとんど意識することなく、そのオンラインストレージに保存したファイルをエクスプローラーやFinderで普通に操作できる。
特にWindows 10/11には、標準でOneDriveアプリがプリインストールされていて、Microsoftアカウントでサインインするだけで、すぐに使い始められる。
Windows 10/11のOneDriveアプリは、デフォルトで[%USERPROFILE%\OneDrive]フォルダ以下にあるファイル/フォルダをオンラインストレージと同期する。設定変更によって別のフォルダも指定できるが、同期できるのは単一のフォルダツリーだけだ。そのため、同期したいファイルをこのフォルダ以下に集めて保存する必要がある。
OneDriveフォルダに保存されたファイルや書き換えられたファイルは、ほぼリアルタイムで自動的にオンラインストレージとの同期が実行される。そしてオンラインストレージから同様に連携中のWindows PCも自動的に同期される。またエクスプローラーでは、右クリックで表示されるコンテキストメニューから共有や公開(詳細は後述)といったOneDrive関連の設定ができる。
同期はバックグラウンドで行われるため、同期対象だからといって特に意識してファイルを操作する必要はない。エクスプローラーでファイルの作成や上書き、削除などをしたり、アプリケーションで開いたりできるのも通常と変わらない。
同期のために利用するネットワークの帯域は、アップロード速度/ダウンロード速度ともにOneDriveの[設定]ダイアログの[ネットワーク]タブで調整可能だ(以下のスクリーンショット参照)。ネットワークの帯域が逼迫するような環境ならば、個別のPCで制限をかけるとよい。
インターネット接続がオフラインの場合、同期は中断するもののファイル操作は可能だ。ローカルのOneDriveフォルダにキャッシュされているファイルやフォルダで操作を行い、インターネット接続が復旧すれば自動的に変更内容がオンラインストレージに反映される。
OneDriveフォルダに作業ファイルを集める必要があることを除けば、OneDrive利用前と比べて作業手順などを大幅に変える必要はないだろう。
Windows 10/11やMacのOneDriveでは、ファイルやフォルダごとにオンラインストレージから即座にダウンロードするか、それとも必要なタイミング(オンデマンド)でダウンロードするかの選択が可能だ。これは「オンデマンド機能」などと呼ばれる。
例えばオンラインストレージに100GBのデータが保存されているとする。それと同期しているWindows 10/11のOneDriveフォルダをエクスプローラーで参照すると、全てのファイル/フォルダが同期されているように見える。
しかし実際には、オンデマンドに設定したファイルの実体はダウンロードされておらず、そのファイルをアプリケーションで開いた時に初めてダウンロードが実行される。その結果、100GB全部をダウンロードする必要はなくなり、OneDriveによるディスク消費をもっと少なく抑えられる。
ファイルのアクセス時にダウンロードが始まるため、多少のタイムラグが生じるデメリットはあるものの、頻繁にアクセスするファイルは常時ダウンロードしておくように設定できる。特にディスク容量の小さいノートPCで重宝する機能といえる。
オンデマンド機能の詳細については、Windows 10 The Latestの「Windows 10のOneDriveでファイルのオンデマンドダウンロード機能を利用する」を参照していただきたい。
iOSやAndroid OSを搭載したスマートフォン/タブレットでは、それぞれのアプリストア(マーケット)からOneDriveアプリを無償でインストールできる。
これらをインストールするとOneDriveのファイル操作(アップロードやダウンロード、削除、移動など)ができる。写真のプレビューの他、オンラインストレージへの自動的なバックアップにも対応している。特定のファイルをオフラインで常に利用できるように設定することも可能だ。総じて使い方は難しくない。
対応するアプリケーションがインストール済みなら、文書ファイルなどの閲覧や編集も可能だ。特にMicrosoft Word/Excel/PowerPointについては、MicrosoftがiOS/Android向けに各アプリを提供している。これらを利用するとOneDrive上にあるWord文書やExcelシート、PowerPointプレゼンテーションを編集できる(DropboxやGoogleドライブにも対応しているが)。
これらのアプリは、App StoreやGoogle Playストア上で「Microsoft」を検索すると簡単に見つけられるだろう。
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