グーグルのプレスイベントで見るグーグル新時代の幕開けドリキンが斬る!(4)(2/4 ページ)

» 2013年08月01日 18時00分 公開
[ドリキン,サンフランシスコ在住ブロガー]

Android OS 4.3について

 新型Nexus 7と併せて発表されたのが、最新モバイルOSの「Android 4.3」です。

 バージョン4.2から0.1ポイントのバージョンアップであるため、愛称は「Jelly Bean」から変わっていません。見た目の変更はほとんど見付けられないのですが、機能面ではかなり進化しています。

 主な新機能を上げると、

  • パフォーマンスの向上
  • 制限付きプロファイル
  • Open GL ES 3.0対応
  • Bluetooth Smart対応
  • DRM APIサポート

などです。各機能をそれぞれ見ていきましょう。

パフォーマンスの向上

 一見すると地味な内容に見えますが、実際にはAndroidも成熟期に入っており、下手に見た目の機能を変えてバランスを崩すよりは、ひたすらパフォーマンス向上してくれた方が、ユーザーとしてはありがたいです。

 Android 4.3は、新型Nexus 7に初搭載されると発表されていました。しかし、実際には発表直後にNexus 4用のアップデートファームウェアが提供されたため、自分でもいち早くNexus 4をAndroid 4.3にアップデートしてみました。

 見た目の変化は全くというほど見付けられないのですが、パフォーマンスに関しては、「カルチャーショックを受けるほど満足していたNexus 4+Android 4.2の組み合わせ」と比べても、そこからさらに実感できるレベルで高速化しています。

 加えて、タッチパネルの反応も良くなっています。個人的にはこれだけでもアップデートに満足しちゃいました。

制限付きプロファイル

 制限付きプロファイルのサポートは、タブレット版Androidでサポートされているマルチユーザーをさらに進化させた機能で、アカウントごとに利用できるアプリや機能を制限できます。

 この機能は、単にアカウントごとで利用可能なアプリケーションを制限するだけでなく、アプリ内の機能単位でコントロールが可能です。

 どういうことかというと、例えば、タブレットを親子で共有しているとします。「お父さんは子どもにゲームを遊ばせたいけど、ゲーム内の課金機能は使わせたくない」というシチュエーションは多いのではないでしょうか?

 そんなときに、お父さんのプロファイルでゲームの追加レベルを購入し、特定のレベルだけを子どもに許可するといった制限すら可能になります。

 こういった地味だけど実用的な機能をしっかり作り込んでいる点にとても感銘を受けました。

Open GL ES 3.0対応

 OpenGL ES 3.0はモバイル向け3Dグラフィックス用の最新規格で、主にゲームで使われる機能です。iOSより先に3.0に対応したことで、より表現力の高いリアルなグラフィックスのゲームをAndroid上で動かせます。

 イベントで同時発表されたGoogle Play Gamesにより、セーブデータや実績データをクラウド上に保存したり、リーダーボードやマルチプレイ機能を提供したりなど、他のゲームプラットフォームと同程度のオンラインサービスを備えるようになりました。グーグルでは、新型Nexus 7を最高のモバイルゲームプラットフォームとしても考えているようです。

 実際、OpenGL 3.0による従来のコンシューマゲーム機並みの3DグラフィックスをフルHD解像度で楽しめ、さらにクラウドによる連携機能を備えたプラットフォームは他にないため、スペックだけ見ると最強のモバイルゲームプラットフォームであることは確かです。

 ただ、ゲーム機における優劣は最終的にはゲームタイトル次第なので、後はAndroid専用の大型タイトルがどれだけ登場するか興味深いところです。

Bluetooth Smart対応

 Bluetooth Smartは、従来Low Energyとも呼ばれているBluetoothの規格で、消費電力を抑えた通信が可能です。運動量を測定するリストバンド型のBluetoothデバイスが最近人気ですが、こういった端末の駆動時間を劇的に延ばせます。

 iPhoneでは、iPhone 4SからBluetooth Smartに対応していました。Androidもこれに追い付いた形です。iPhone/Androidの両方で対応したことから、対応デバイスがますます増えることが期待されます。

DRM APIサポート

 DRMとは、Digital Rights Management(デジタル著作権管理)の略で、動画再生などで使われる機能です。

 有料の動画配信を行う際に必須の技術ですが、従来、DRM機能は各サービス、各プレーヤーごとに独自で実装されることが多く、使い勝手がアプリやサービスに制限されていました。

 今回、DRMベースの仕組みをAndroidに組み込んだことで、動画サービスの開発が楽になるだけでなく、柔軟性も向上します。

 実際、同機能はリリース前からネットフリックスと協力して開発しており、ネットフリックスではモバイルデバイスで初のフルHD再生を実現したとアピールしていました。新型Nexus 7の解像度もフルHDであるため、同製品は動画再生デバイスという意味でも、フルHD画質を最大限に楽しめるモバイルプラットフォームになったといえます。

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