「Pivotalジャパン」設立、EMC、VMware、GE連合のPaaS製品群が本格展開へ企業動向

Cloud Foundryを活用したPaaS環境や大量データ分析向けの製品群を展開するPivotalが、日本法人を設立。日本企業のデータ活用を本格的に支援する体制を整えた。

» 2013年08月02日 07時00分 公開
[原田美穂,@IT]

 米Pivotalの日本法人となるPivotalジャパンが2013年8月1日、正式にスタートした。Pivotalは、2013年4月、EMC、VMwareとGeneral Electric(GE)が出資して設立した企業。

 米国法人設立に際して、CEOに就任した元VMwareのCEOであるポール・マリッツ氏は、「Consumer-Grade Enterprise」という言葉を使ってその狙いを説明している。その内容は、記事「EMCとヴイエムウェアの新会社Pivotalは何を目指すか」で詳述しているとおりだ。

 この発表の際には、一般の企業において、今後大量データをリアルタイムで処理し、さまざまなプラットフォームに乗るサービスを横断した迅速なアプリケーション開発、サービス提供が求められていくが、このためのベースとなる環境を提供するのがPivotalの設立目的だとしていた。

 Pivotalでは、PostgreSQLベースのデータウェアハウス(DWH)「Greenplum」、Hadoopディストリビューション「Pivotal HD」およびインメモリ型データベース「Pivotal GemFire」、インメモリ型分散データベース「Pivotal SQLFire」といった製品で構成される「Pivotalデータ・ファブリック」(旧VMware vFabric相当)、Cloud FoundryとSpring Frameworkを基盤とした「Pivotalクラウド」およびアプリケーション・プラットフォームそのものの提供を行う。なお、Cloud Foundryに関しては、2013年7月24日に米Pivotalが米IBMとオープンクラウド推進に向けた提携を発表している

 また、併せて、これらの環境を利用したデータ分析・活用プロジェクトを支援する「Pivotal Data Scienceチーム」、アジャイル手法で各種アプリケーションの開発・展開を行う「Pivotal Labs」も組織する。

日本法人設立に期待を寄せる企業

 日本法人設立に際しては、アクセンチュアのデータ分析専門組織であるアクセンチュアアナリティクスや、同様にデータ分析の専門家を多数擁するブレインパッドが歓迎のコメントを寄せている。また、従来Greenplumを扱ってきた東京エレクトロンデバイスでは日本法人設立を期に他のPivotal製品の提供も進めていくとしている。

 さらにVMwareやEMC製品のパートナーであり、「Big Data Processing Lab」などでの検証でも利用している伊藤忠テクノソリューションズ、「IIJ GIO Hadoopソリューション」「IIJ GIOビッグデータラボ」で製品採用実績があるIIJ、IT戦略コンサルティングでPivotalのPaaS環境の活用を進めるウルシステムズ、Cloud Foundryベースの「Bizホスティング Cloudn PaaS」を展開するNTTコミュニケーションズ、Greenplumを使ったデータ分析コンサルティングサービスを展開するオージス総研も同様のコメントを示している。

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