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» 2013年10月07日 00時00分 公開

フリーソフトウェアGNU30周年と開発環境、開発ツールの歴史を振り返る安藤幸央のランダウン(66)(3/3 ページ)

[安藤幸央(yukio-ando@exa-corp.co.jp),株式会社エクサ]
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開発環境のこれから

 開発環境のみならず、ライブラリやAPIもますます進化し、機能や応用分野も広がっています。単に優秀なソースコードが書けるだけではなく、既存の適切なAPIやライブラリを探し出し、素早く理解し、活用するといった能力も求められてきています。

名言その2:John Backus(ジョン・バッカス)氏(世界初の高水準プログラミング言語「FORTRAN」の発明者)

プログラムを書くのが好きじゃなかったから、

プログラムを簡単に書けるシステムを考えたのです。


 今後期待される、開発環境について、いくつか考えてみました。

  • 大規模で大量のソースコードに対応したソースコード管理や分散ビルドの進化
  • コンパイラの進化とネットや表示環境も含めたテストやパフォーマンスチューニングの環境
  • 単に正しく動けば良いという状態から、一歩進んだ目的意識を持った開発環境
  • DevOpsの開発と運用が密接に関係したスピード感のある開発と運用
  • Scratch」のような子供向けプログラミング環境による幼児期や初心者の学び
  • グラフィックスやネットワーク機器, Webサーバなどハードウェアに密着したソフトウェア開発環境
  • 一昔前であればマクロ、現在であればSalesforce.comのような、業務を熟知した開発者が利用する開発環境の進化
  • デザイナ向けプログラミング環境。デザイナとプログラマとの協業に適した開発環境。
  • アート向けプログラミング環境。プロジェクションマッピングなどある特定分野に特化した開発環境。
  • スマートフォン上でスマートフォンアプリが開発できる環境の進化
  • BaaSNode.jsなどの進化に伴ったサーバサイドプログラミング環境
  • スニペットやサンプルコードの活用、単なる部品の再利用ではなく、過去の自分自身の知見を活用する開発環境
  • ジェスチャや、マウス操作やタッチパネルに特化したプログラミング環境

 「平易なものをスピード感をもって開発する」というニーズと「大規模なものをより確実に強固に必要十分な時間をかけて開発する」というニーズは相反する部分もあり、共通の部分もあるでしょう。

 また開発環境も、より適切なものを適切に使いこなし、かついろいろな工夫をすることでしょう。

名言その3:ベル研究所Tom Cargill(トム・カーギル)氏(合計が100%になりませんが、記述は合ってます)

コードの最初の90%が開発時間の90%を占め、残りの10%がさらに90%を占める


 他の産業に比べると、圧倒的に歴史は浅く、かつ進化のスピードの速い世界を振り返りました。これからも予想のできないことや、さらなる進化があるでしょう。これからどんなに開発環境が進化しても、プログラムを書く“仕事”と、プログラムを書く“楽しみ”は、これからもなくならないと思います。

 ここで紹介した事柄に関して、「当時自分はもっと進んだ環境を使っていた」「記述に間違いを見つけた」「なぜ◯◯のことが書かれていないのか!」など、ご意見がございましたら、ぜひ新しく生まれ変わった@ITに導入された、下記Facebookコメントに書き込んでいただければ幸いです。


 次回記事は、2013年12月初めごろに公開の予定です。内容は未定ですが、読者の皆さんの興味を引き、役立つ記事にする予定です。何か取り上げてほしい内容などリクエストがありましたら、編集部や@ITのFacebookページまでお知らせください。次回もどうぞよろしく。

プロフィール

安藤幸央(あんどう ゆきお)

1970年北海道生まれ。現在、株式会社エクサ マルチメディアソリューションセンター所属。フォトリアリスティック3次元コンピュータグラフィックス、リアルタイムグラフィックスやネットワークを利用した各種開発業務に携わる。コンピュータ自動彩色システムや3次元イメージ検索システム大規模データ可視化システム、リアルタイムCG投影システム、建築業界、エンターテインメント向け3次元CGソフトの開発、インターネットベースのコンピュータグラフィックスシステムなどを手掛ける。また、Java、Web3D、OpenGL、3DCG の情報源となるWebページをまとめている。

安藤幸央

ホームページ

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所属団体

OpenGL_Japan (Member)、SIGGRAPH TOKYO (Vice Chairman)

主な著書

「VRML 60分ガイド」(監訳、ソフトバンク)

これがJava だ! インターネットの新たな主役」(共著、日本経済新聞社)

The Java3D API仕様」(監修、アスキー)


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