GitHubは2025年2月21日、「GitHub Copilot」を使ったデバッグについて解説するブログエントリを公開した。効率的なデバッグをするためのベストプラクティスを解説している。
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GitHubは2025年2月21日(米国時間)、「GitHub Copilot」を使ったデバッグについて解説するブログエントリを公開した。同社はベストプラクティスについて以下のように紹介している。
適切なコンテキストを提供することで、GitHub Copilotはより適切なデバッグ案を生成できる。GitHub Copilotは周囲のコードを分析してデバッグ案を生成するため、ファイルが適切に構造化され、必要な依存関係が正しく含まれていることを確認することが重要だ。「Copilot Chat」を使っている場合は、特定の関数名、エラーメッセージ、ログなどを含めることで一般的な提案ではなく適切な回答を得られるだろう。
複数のファイルにまたがる作業をしている場合は、「@workspace」コマンドを使うと、GitHub Copilotに適切なコンテキストを与えられる。これによってプロンプトの意図や目的が明確になり、より適切な回答を得ることができる。
GitHub Copilotを一度の提案で完結させるのではなく、対話を重ねて改善していくのが効果的だ。グレッグ・ラーキン氏(シニアサービスデリバリーエンジニア)は「GitHub Copilotに対して、問題の修正方法やパフォーマンス分析について3~4種類を提案させるとよいだろう。何を求めているのか、例えば高速化なのか、メモリ効率の向上なのか、あるいは別の制約なのかなど要件を詳しく伝えれば伝えるほど、より適切な結果が得られる」と語る。
この反復的なアプローチによって、想定していなかった代替案を検討でき、より強固で効率的なコードを作成できるだろう。
プロンプトが具体的であればあるほど、GitHub Copilotの回答の精度は向上する。例えば「この関数はどうなっているか?」と尋ねるのではなく、「入力は有効なのに、なぜこの関数は未定義を返すのか?」と尋ねてみよう。
GitHub Copilotは、明確で詳細なクエリを与えられたときに最高のパフォーマンスを発揮する。これは、修正を依頼する場合でも、説明を求める場合でも、変更を検証するためのテストケースを探す場合でも同じだ。また、厳密なプロンプトを作成し、エッジケース(通常の想定範囲から外れた極端な入力や状況)を検証することで、潜在的な問題を本番環境に持ち込む前に発見できる。
ステップ・バイ・ステップでデバッグを進める方法を試してみよう。問題が発生した際に、すぐに修正を適用するのではなく、まずはGitHub Copilotのコマンドを使って問題を理解し、潜在的な原因を分析して解決策を実装する。この体系的なデバッグ手法は「プログレッシブデバッグ」と呼ばれ、単にバグを修正するだけでなく、コードの理解を深めながら根本的な解決を図ることができる。
例:
一部の問題は複数のデバッグ手順や修正プロセスが必要になることがある。GitHub Copilotのスラッシュコマンドを組み合わせることで、診断から解決までの流れをさらにスピードアップできる。
例:
/explain + /fix
→問題を素早く理解し、解決する。
/fixTestFailure + /tests
→失敗したテストを見つけ、新しいテストを生成する。
スラッシュコマンドが最も効果的なのは、適切なコンテキストを使って問題を明確に説明し、体系的なデバッグ手法の一環として使用した上で、検証やテストをすることだ。
GitHub Copilotは開発ワークフローを強化する強力なツールだが、だからと言って人間の洞察力や批判的思考、チームでのコラボレーションが不要になるわけではない。
GitHub CopilotのAIによるサポートと、人間の経験や直感を組み合わせることで、より効率的にデバッグを進めながら、高品質で信頼性の高いコードを維持できるだろう。
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