セキュリティ企業のシマンテックは、ルータや防犯カメラなどの組み込みデバイスを狙ったLinuxワームを発見したとブログで伝えた。ARM、PPC、MIPS、MIPSELといったIntel以外のアーキテクチャを標的とする亜種の存在が確認されているという。
セキュリティ企業のシマンテックは、ルータや防犯カメラなどの組み込みデバイスを狙ったLinuxワームを発見したとブログで伝えた。11月28日の時点でPC以外の機器に対する攻撃は顕在化していないものの、ARM、PPC、MIPS、MIPSELといったIntel以外のアーキテクチャを標的とする亜種の存在が確認されているという。
シマンテックによると、このワーム「Linux.Darlloz」は、PHPのphp-cgiに存在する既知の脆弱性を突いて拡散する。この脆弱性の修正パッチは2012年5月に公開されているが、攻撃者は2013年10月末に公開されたコンセプト実証(PoC)コードに基づいてワームを作成したと見られる。
ワームが実行されるとランダムなIPアドレスを生成し、よく使われるIDとパスワードの組み合わせでマシン上の特定のパスにアクセスして、脆弱性を突いたHTTP POSTリクエストを送信する。脆弱性が修正されていない場合、不正なサーバからワームをダウンロードして、次の標的を探す。現時点で感染できるのはIntel x86系システムに限られるようだという。
家庭用ルータやセットトップボックス、防犯カメラ、産業用制御システムといった機器の多くはOSにLinuxを採用し、Apache WebサーバやPHPなど、Webベースのユーザーインターフェイスを備えているものもある。しかし「多くのユーザーは自分が所有するデバイス上でLinuxが稼働していることを知らず、危険性に気づいていない」とシマンテックは警鐘を鳴らす。
そうした機器に使われているARMやPPC、MIPS、MIPSELなどのアーキテクチャを狙う亜種が見つかったのは、「攻撃者がLinuxを搭載した各種デバイスに攻撃範囲を広げることで、感染の可能性を最大限に拡大しようと試みている」ことを示すものだと同社は推測する。
しかしこうした機器のユーザーの多くは、自宅やオフィスで脆弱性のある機器を使っているという認識がなく、たとえ認識していたとしても、製造元が更新版を提供していないこともあるという。
シマンテックではDarllozへの感染を防ぐために、
などの対策を挙げている。
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