米デルは12月12日(米国時間)、米レッドハットのOpenStackディストリビューションのOEM提供、および米マイクロソフトのWindows Azure、米グーグルのGoogle Cloud Platformの提供について発表した。プライベートクラウドについては将来に向けてOpenStackを推進し、パブリッククラウドについては主要なクラウドサービス事業者と幅広く連携、同社が提供する管理ツール「Dell Cloud Manager」でこれらを統合管理できる環境を提供していく。
米デルは12月12日(米国時間)、米レッドハットのOpenStackディストリビューションのOEM提供、および米マイクロソフトのWindows Azure、米グーグルのGoogle Cloud Platformの提供について発表した。プライベートクラウドについては将来に向けてOpenStackを推進し、パブリッククラウドについては主要なクラウドサービス事業者と幅広く連携、同社が提供する管理ツール「Dell Cloud Manager」でこれらを統合管理できる環境を提供していく。
米デルのCEO、マイケル・デル(Michael Dell)氏は米国テキサス州で開催中の「Dell World 2013」で、「デルのクラウド戦略の中心は、顧客に選択肢と柔軟性を提供することだ」と話した。
デルはレッドハットにとって、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform(RHELOP)」の初のOEM提供先となった。RHELOPはOpenStackをRed Hat Enterprise Linux(RHEL)と統合し、パッケージ化したもの。デルはこれを同社のインフラ製品と組み合わせて提供する。
また、デルはレッドハットとの相互協力に基づき、コードをOpenStackコミュティに提供していくという。2社が協力するプロジェクトの例として、Neutron(ネットワーキング)におけるネットワークアダプタの仮想化との連携、Ceilometer(テレメトリ)におけるリソース計測機能の強化を挙げている。
[2013/12/13 記事初出時、Celometerとしていましたが、誤りでしたので訂正しました]
デルは、レッドハットのRHELOPを用いたソリューションを、2014年に提供開始すると発表している。
デルはWindows AzureとGoogle Cloud Platformを、「Dell Cloud Partner Program」のクラウドサービスに加えると発表、Windows Azureについては同時に提供を開始した。Dell Cloud Partner Programとは、他社の提供するクラウドサービスを、デルが再販するもの。これまでJoyent、PEER 1 Hosting、ScaleMatrix、ZeroLagのサービスがこのプログラムで提供されてきた。今回、Windows Azureとともに、CenturyLinkが同プログラムに参加した。Google Cloud Platformについては、2014年に提供開始の意向表明にとどまっている。
デルはDell Cloud Partner Programとマルチクラウド統合管理ツールの「Dell Cloud Manager」を通じて、ハイブリッドクラウドのハブ的な機能を果たそうとしている。Dell Cloud Partner Programでは、企業におけるクラウドサービス調達を一手に引き受け、さらにクラウドサービス利用やハイブリッドクラウド運用に関するコンサルティングや移行サービス、システムインテグレーション、セキュリティ製品などの販売を推進することができる。Dell Cloud Managerは、複数のプライベート/パブリック・クラウドを統合管理できるツール。単一のIDで複数のクラウドのプロビジョニングが行えるほか、リソースのモニタリングやアクセス制御、データ暗号化などを統合的に行える。Dell Cloud Partner Programにリストされるクラウドサービス事業者だけでなく、Amazon Web ServicesやRackspace、VMware vSphere/vCloud、Eucalyptusなど、幅広いクラウドサービスおよび技術に対応している。
デルは一時、IBMやHPのように、自社によるクラウドサービスを強化しようとしていた。しかしその後、方向性を180度転換。多数の他社クラウドサービスを再販することで顧客に選択肢を提供し、自社はコンサルティングやシステムインテグレーション、関連製品・サービスの販売に力を入れるようになっている。
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