Havanaのリリースから半年で、予告通りIcehouseがリリースされた。コンピュートノードのローリングアップデート機能やKeystoneでの連携認証機能などが加わっている。
オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」の9番目のリリースとなる「Icehouse」が2014年4月17日に公開された。約350の新機能と2902のバグ修正が盛り込まれ、機能強化や安定性の向上を図っている。
発表によると、Icehouseでは半年前のHavanaリリースでインキュベーション段階だったデータベースサービス(Trove)が正式版となり、OpenStack環境でリレーショナルデータベースサービスが管理できるようになった。
コンピュートノードのコンポーネントである(Nova)にはローリングアップデートの新機能が加わり、仮想マシン(VM)インスタンスを終了しなくても更新版のインストールが可能になる。
サードパーティー製の継続的インテグレーション(CI)システムにも重点が置かれ、53の外部システムで幅広いハードウェアやソフトウェアの設定についてOpenStackとの相互運用性テストを実施した。
この他にも、オブジェクトストレージコンポーネントである「Swift」(解説)ではAPI経由で利用可能な機能がチェックできるようになり、ブロックストレージコンポーネントである「Cinder」では階層化ストレージ環境でのバックエンドマイグレーションに対応した。認証コンポーネントである「Keystone」は連携認証が可能になっており(解説)、プライベートとパブリックのOpenStackクラウド間で同じクレデンシャルが使えるようになった。
また、ベアメタルプロビジョニング機能を提供する「Ironic」、メッセージングキューおよび通知サービス機能を提供する「Marconi」、Hadoopクラスタのプロビジョニングやタスク実行をOpenStack上で行うためのデータプロセッシング「Sahara」(旧Savanna)などのプロジェクトがインキュベーション段階となっている。
Icehouseのコードにはレッドハット、IBM、HP、ラックスペース、Mirantis、SUSE、OpenStack Foundation、eNovance、ヴイエムウェア、インテルなどの各社が貢献した。
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