HPがOpenStackを軸にハイブリッドクラウドのための製品ポートフォリオを発表。物理環境からIaaS、PaaS、サービス層までをカバーするラインアップに今後2年で10億ドル以上の投資をするという。
米ヒューレット・パッカード(HP)は2014年4月6日、OSSのクラウド基盤構築ソフトウェアであるOpenStackをベースにしたクラウド製品やサービスで構成する新ポートフォリオ「HP Helion」を発表した。パブリック/プライベート/オンプレミス環境を横断するハイブリッドクラウド環境構築に向け、向こう2年間で10億ドル以上をクラウド関連プロジェクトに投資して、HP Helionの世界展開を推進する。
HPでは、これに先行してOpenStackベースのパブリッククラウドサービスやプライベートクラウド用のシステムとしてHP CloudSystemを展開、HP Comverged InfrastructureやHP Moonshotといったデータセンター向けのサーバー製品も持っているが、これらもHP Helionポートフォリオの中で展開する。
HelionではHPの既存のクラウド製品と、新しいOpenStackベースの製品を組み合わせ、統合ポートフォリオとしてサポートなどのサービスを提供する。まずは「HP Helion OpenStack」の無料版となるコミュニティエディションを即日提供開始。これは試行用やベーシックなプロダクションワークロード用を想定している。
グローバル企業やサービスプロバイダーのニーズに対応した機能を盛り込んだ商用版HP Helion OpenStackは、今後数カ月以内にリリース予定だとしている。
「HP Helion Development Platform」は、OSSのPaaS構築ソフトウェアであるCloud FoundryをベースとしたPaaSプラットフォームだ。HPでは年内にプレビュー版をリリースし、アプリケーション開発、導入、管理のためのオープンプラットフォームを提供するとしている。
さらに関連サービスとして、HP Helion OpenStackの顧客に対してサードパーティ製ソフトウェアの特許侵害や著作権侵害訴訟などから守るための「OpenStack Technology Indemnification Program」や、HPの専門家がクラウド計画の立案や導入、運用支援に当たる「HP Helion OpenStack Professional Services」も提供する。
Helion OpenStackベースのクラウドサービスは、各国のサービスプロバイダー約110社のネットワークを通じて展開する。HPは現在、27カ国で80あまりのデータセンターを運営しており、向こう1年半のうちに20のデータセンターでOpenStackベースのパブリッククラウドサービス展開を目指す。
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