最後のこれまでのインポート/エクスポートのそれぞれの検証結果を一覧でまとめる。
インポート (Excel → スプレッドシート) |
エクスポート (スプレッドシート → Excel) |
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フォント | ◯ Googleスプレッドシートで取り扱えないフォントも含め、問題なく変換される |
◯ Googleスプレッドシートが標準で取り扱うことのできる全てのフォントが問題なく変換される |
セルの統合 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
セルの色付け | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
セルの枠線 | ◯ 正常に変換される |
△ 統合されたセルの一部で枠線が欠如した |
セルの入力規制 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
画像 | △ やや形状が変わる可能性があるが変換はされる |
◯ 形状、位置ともに問題なく変換される |
図形 | ◯ 形状、位置ともに問題なく変換される |
◯ 形状、位置ともに問題なく変換される |
SmartArt | × 変換時にデータが失われる |
− 該当機能なし |
グラフ | △ 3Dグラフが2D化されるなどGoogleドキュメントの機能範囲内に制限されるものの変換自体は問題なくされる |
◯ 形状、位置、色合いともに問題なく変換される |
フィルタ | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
ピボットテーブル | × 簡易的なものは変換できるが精度は高くないため実用レベルとは言えない |
△ データの変換は正常にされるものの、フィールドの順序が変わってしまうなどの課題もある |
条件付き書式 | × 変換されない |
× 変換されない |
コメント | ◯ 正常に変換される |
△ データは正常に変換されるものの、状況によってはコメントの位置がずれる現象が発生した |
関数 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
マクロ(スクリプト) | × 変換されない |
× 変換されない |
ExcelとGoogleスプレッドシートの互換性検証結果 |
ここまでExcelとGoogleドキュメントのスプレッドシートの互換性を検証してきたが、WordやPowerPoint、Google文書やプレゼンテーションなども基本的に同等の傾向が見られた。結果については、下表にまとめたので参考にしていただきたい。
インポート (Word →文書) |
エクスポート (文書 → Word) |
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フォント | △ 正常に変換されるものと、異なるフォントに変換されるものが混在する |
◯ Googleドキュメントが標準で取り扱うことのできる全てのフォントが問題なく変換される |
書式 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
ルビ(ふりがな) | × 変換時にデータが失われる |
− 該当機能なし |
ヘッダー | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
フッター | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
ページ番号 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
表の挿入 | △ 変換されるが、セル統合は反映されない |
◯ 正常に変換される |
画像 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
図形 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
WordArt | △ シンプルな画像に変換される |
− 該当機能なし |
段組み | × 変換されない |
− 該当機能なし |
縦書き | × 横書きに戻ってしまう |
− 該当機能なし |
変更履歴 | × 変換されない |
− 該当機能なし |
コメント | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
マクロ(スクリプト) | × 変換されない |
× 変換されない |
コメント | ○ 正常に変換される |
○ 正常に変換される |
校正履歴 | × 変換されない |
− 該当機能なし |
WordとGoogle文書の互換性検証結果 |
インポート (PowerPoint→プレゼンテーション) |
エクスポート (プレゼンテーション →PowerPoint) |
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フォント | × 全てArialに変換される |
◯ Googleドキュメントが標準で取り扱うことのできる全てのフォントが問題なく変換される |
スライドマスター | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
フッター | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
スライド番号 | × 変換時にデータが失われる |
− 該当機能なし |
表の挿入 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
画像 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
図形 | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
WordArt | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
SmartArt | ◯ 正常に変換される |
− 該当機能なし |
アニメーション | △ プレゼンテーションが搭載しているアニメーションはそのまま表現され、搭載しないアニメーションは「フェードイン」に変換される |
◯ 正常に変換される |
画面切り替え | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
ノート | ◯ 正常に変換される |
◯ 正常に変換される |
コメント | ◯ 正常に変換される |
△ 変換されるものの、データが欠如する |
マクロ(スクリプト) | × 変換されない |
− 該当機能なし |
PowerPointとGoogleプレゼンテーションの互換性検証結果 |
検証結果からは、Microsoft OfficeとGoogleドキュメントの間でファイルを変換する場合には、以下の点に気を付けることで変換精度による問題を最小限に留めることができると考えられる。
Microsoft Officeとの高い互換性を持つ機能として、GoogleはAndroid、iOS向けにQuickofficeを無償で提供している。また、Chrome OSが搭載されるChromebookやChromeboxにはQuickoffice機能が標準で搭載されているため、高い互換性を維持したまま、Micorosoft Officeがない環境でもWord、Excel、PowerPointのファイルを閲覧、編集することができる。
本稿では、Microsoft OfficeとGoogleドキュメントの互換性について、実検証を元に解説した。2014年4月8日(米国時間)にMicrosoft Office 2003は長きに渡る現役を終え、多くのユーザーがMicrosoft Office 2010/2013やGoogleドキュメントなど他の同等製品への移行を余儀なくされている。現時点でMicrosoft OfficeとGoogleドキュメントの双方向での互換性は完全とは言えないが、GoogleドキュメントからMicrosoft Officeへの変換はそれほど問題なく使える可能性がある。
これまでの進化と同様に、Googleドキュメントの互換性の精度は今後も徐々に高まることが予測されるため、無償または非常に安価(Google Apps for Businessの場合、1アカウント当たり月500円程度)に利用可能なビジネス文書作成機能には今後も期待したい。
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