逆にGoogleドキュメントのスプレッドシートからExcelへのエクスポート機能がどの程度の互換性を持っているのかを検証結果を元に解説する。
インポート検証シナリオと同様に、ドキュメントで最も重要なフォントから見ていく。Googleドキュメントのスプレッドシート上から標準で利用可能な「Arial」「Courier New」「Georgia」「Pゴシック」「P明朝」「Times New Roman」「Trebuchet MS」「Verdana」「ゴシック」を対象に検証してみた。
こちらもインポート検証と同様、「P明朝」が「MS P明朝」、「ゴシック」が「MSゴシック」、「Pゴシック」が「MS Pゴシック」に変換されるものの、それ以外のフォントはそのまま引き継がれる結果となった。フォントに関しては、インポートもエクスポートも高い互換性を持っていることが確認できた。
次に、インポート検証シナリオと同様に、表計算でよく使う基本操作である「セルを結合する」「セルに色をつける」「セルに枠線をつける」「セルの入力規則を設定する」についても検証結果を見てみる。
結合されたセルの枠線が一部欠けてしまったものの、その他の項目はすべて正常に変換された。
次に、「画像」「図形」「グラフ」などオブジェクトとして挿入されたアイテムについても「インポート検証」と同様に結果を見てみる。
こちらは画像の形状やオブジェクトの色合いや位置は正確で、グラフも画像ではなく編集可能な状態となっており、ほぼ完全な移行結果となった。
次に、インポート検証と同様に「フィルタ」「ピボットテーブル」「条件付き書式」「コメント」についても検証結果を見てみる。
「フィルタ」「ピボットテーブル」「コメント」は変換に成功するも、「ピボットテーブル」はフィールドの順序が変わってしまうなど軽微な変化が現れた他、「コメント」は残念ながら位置がずれてしまった。なお、「条件付き書式」はインポート検証と同様に変換されない結果となった。インポート性能よりは高い結果が見られるものの、改善の余地が多そうだ。
さらに複雑な要素を持つ関数についても検証した。ここでは、インポート検証と同様に、代表的な基本関数である「SUM関数」「AVERAGE関数」「MAX関数」「MIN関数」「COUNT関数」と、少し高度な関数である「IF関数」「CONCATENATE関数」を使ってみた。
結果としては、インポート検証と同様にすべての関数および結果がそのまま変換された。GoogleスプレッドシートとExcelでのそれぞれの関数の利用方法がほぼ同じである点が大きな要因と考えられる。
最後に、Googleスプレッドシートに組み込んだGoogle Appsスクリプトも検証してみたが、こちらは全く変換されなかった。ExcelマクロとGoogle Appsスクリプトの互換性は、VBA(Visual Basic for Applications)とJavaScriptというプログラミング言語の互換性でもあるため、技術的にも大きな壁がありそうだ。
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