コンテナー構成情報を管理する「Docker」の開発企業が「Cloud Foundry」の開発団体に参加を表明。これはつまり……?
2014年5月29日、コンテナ型仮想化ソフトウェア「Docker」の開発元であるDockerは、オープンソースのPaaS基盤ソフトウェアである「Cloud Foundry」の開発団体となる「Cloud Foundry Foundation」へ参加することを発表しました。
Cloud Foundryは現在Pivotalが管理しており、Cloud Foundry Foundationは来月にもPivotalから移管を受けて発足予定です。
Cloud Foundryの内部では、アプリケーションの実行基盤として独自のコンテナ技術である「Warden」(ウォードン)が使われており、基本的にはDockerはサポートされていません。
ただし、既にCloud FoundryでDockerをサポートするActiveStateのStackatoなどの実装が存在しており、またCloud Foundryの内部で次期アプリケーション実行基盤となるべく開発されているDiegoでは、Warden以外の技術にも対応しやすい構造になる見通しです。
そして来月、6月9日にはサンフランシスコでDockerのイベント「DockerCon」と、Cloud Foundryのイベント「Cloud Foundry Summit Sunfrancisco」が歩いて10分ほどの距離で同時に開催されます。Dockerのブログ「DOCKER JOINS CLOUD FOUNDRY FOUNDATION」では、ここで面白い話が聞けるはずだ、と期待をあおっています。
For more discussion about Docker and Cloud Foundry, stay tuned for the week of June 9. In an unintentional bit of scheduling craziness, both DockerCon and Cloud Foundry Summit are happening that same week, at locations approximately 10 minutes’ walk away from each other in San Francisco. Both events will feature interesting discussions about Cloud Foundry and Docker.
DockerとCloud Foundryについてのさらに詳しい話は、6月9日の週にぜひ注目しておいてほしい。特に仕込んだわけではないのだけれど、DockerConとCloud Foundry Summitが同じ週に、しかも歩いて10分ほどの距離の会場で開催される。両イベントでは、Cloud FoundryとDockerを取り上げた話が行われる予定だ。
いかにもCloud FoundryでDockerサポートが発表される、と言いたげではないでしょうか。
PaaSが、Dockerが対応することで、あらかじめPaaSが提供しているRubyやJavaといった実行系やフレームワークだけでなく、ユーザー自身で実行環境をPaaSに乗せることができるため、PaaSの可能性が大きく広がります。
既にAmazonクラウドのElastic BeanstalkやレッドハットのOpenShiftなど、いくつかのPaaSがDocker対応を行っており(関連記事1、関連記事2)、またGoogle Compute Engineでも対応が発表されました。いまのDockerの注目度からすれば、今後さらに対応プラットフォームは広がるでしょう。
おそらくDockerは6月9日にバージョン1.0の発表を行い、正式版となるはずです。同時にCloud Foundry対応の発表が行われるかどうか、注目したいと思います。
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