米グーグルが「Google I/O 2014」で発表した次期Android「Android L」「Android TV」「Android Auto」の開発者プレビュー、そして「Android Wear」の正式版。これらに対応したアプリを開発するには、どこを見ればいいのか。概要とともに簡単にまとめてみた。
米グーグルは2014年6月25日、年次開発者会議「Google I/O 2014」で次期Android「Android L」の開発者向けプレビューを発表した。また、テレビ向けAndroidの「Android TV」、自動車向けの「Android Auto」、ウェアラブル端末向けの「Android Wear」などを発表し、それぞれSDKも発表している。
新しいAndroidの展開についてグーグルは、「日常生活の中の全てのスクリーンを横断するシームレスな体験の提供に重点を置く。開発者向けには、そうしたスクリーンを通じて自分のアプリを手軽に配信するのに必要なツールを全てそろえる」と説明している。
「Android L」の開発者向けプレビューは米国時間の6月26日から提供が開始された。
新しく提供するAPIは5000種類以上になるという。通知機能の強化、バッテリー持続時間を向上させるための新ツールやAPI、Bluetooth Low Energy(BLE)Peripheralモデルへの対応、マルチネットワーキング機能、新しいカメラAPI、OpenGL ES 3.1サポートなどのゲーム開発者向けの新機能、64ビットのサポート、従来のDalvik VMに代わる実行環境「ART」(Android RunTime)などを盛り込んでいる。
「Android L」開発者向けプレビューは、Nexus 5または7でテストできる。SDKやエミュレーターの解説は「Setting Up the Preview SDK | Android Developers」を参照してほしい。
また、「Android L」は新しいUIデザイン思想「Material Design」を導入したのが特徴で、さまざまなプラットフォームやフォームファクターに対応し、視覚や動作、反応の設計に対する包括的なアプローチを採用したと説明している。
このMaterial Designは以降紹介するAndroid TV、Android Auto、Android Wearでも推奨される(参考:時計から車まで、あらゆるAndroidのUIの基本「マテリアルデザイン」)。
「Android TV SDK」はテレビ画面向けのアプリやゲームの開発に利用できる。初のAndroid TV搭載端末は、今秋ASUSやRazerから登場予定。従来のGoogle TVとの大きな違いは、ゲームアプリを動かせることだ。これは、Wii UやPlayStation、Xboxなどが持つコンソールゲーム市場にグーグルが進出し始めたと捉えることができる。
「Android TV」開発者向けプレビューのSDKやエミュレーターの解説は「Get Started with TV Apps | Android Developers」を参照してほしい。
腕時計などウェアラブル端末向けのAndroid Wearは、すでに開発者向けプレビューを公開済みで(参考:「Android Wear」のデベロッパープレビュー公開)、米国時間の6月26日に正式版を公開した。すでに、いくつかの対応端末が発売を予定している(参考:Android Wear端末、LGとSamsungは本日予約開始、Motorolaは今夏)。
Android Wearアプリの開発には、Android 4.4W(API Level 20)とGoogle Play Services 5.0(公開は数日後)が提供するAPIを使うという。ウェアラブル端末に搭載されるAndroid WearアプリはAndroid 4.3以降が動くスマートフォン/タブレット端末と連携できる。
「Android Wear」アプリの開発方法やエミュレーターの解説は「Creating and Running a Wearable App | Android Developers」を参照してほしい。
既存のAndroidアプリを自動車向けに拡張・連携できる「Android Auto SDK」はまだ入手できず、数カ月後のリリースを予定しているが、「Android Auto Developer Overview」で概要を確認できる。
現状、「Android Auto SDK」で操作できる機能は、話題の自動運転に関わるものではなく、音楽やラジオ、ポッドキャストなど音声メディア用のUI、音声操作、通知などにとどまっている。
「Android Auto」については、すでに日本を含む多くの企業が対応を表明、搭載車両は2014年末に市場投入が見込まれているという(参考:車載Android推進団体OAAの参加規模が6倍に、2014年末に「Android Auto」も登場)。
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