iOS 8 SDK、Xcode 6、Swift 1.0がGMに。Apple Pay機能の組み込み、TestFlight Beta Testingも利用可能Apple Watchアプリ用開発プラットフォーム「WatchKit」も発表

米アップルが2014年9月9日に発表した内容の中から、iOS 8 SDK、Xcode 6、Apple Watch、Swift 1.0などに関する開発者向けの情報をまとめてみる。

» 2014年09月10日 20時00分 公開
[鈴木聖子@IT]

 米アップルは2014年9月9日(現地時間)、米サンフランシスコで「iOS 8」を2014年9月17日から一般提供開始すると発表した。iOS 8 SDKや新プログラミング言語の「Swift 1.0」、開発環境の「Xcode 6」は同日からGM(ゴールドマスター)版(出荷版)が登録開発者向けに公開され、iOS 8の一般公開に向けてアプリをApp Storeに提出できるようになった。

 本稿では、2014年6月の「WWDC 2014」での発表時の情報を含め(参考:絵文字コーディングが流行する?:アップル、新プログラミング言語「Swift」「iOS 8 SDK」「Xcode 6」のベータ版を発表)、あらためて開発者向けの情報をまとめてみる。

iOS 8 SDKは「Apple Pay」機能を利用可能に

 iOS 8 SDKでは4000以上の新APIが追加され、iOS 8の新機能をアプリに追加できるようになる。ユーザーのタスクに合わせてアプリの機能とコンテンツを拡張する「App Extensions」、アプリのコンテンツへのアクセスにユーザー認証を実装する「Touch ID」、写真編集やカメラ操作用の「PhotoKit」「Manual Camera Controls」、アプリのデータをiCloudに保存する「CloudKit」などが加わっている。

 「Touch ID」については、2014年9月9日に発表されたiPhone 6/iPhone 6 Plus/Apple Watch端末のNFC対応決済サービス「Apple Pay」との連携機能が追加された。

 Apple Pay機能は2014年10月に米国での利用開始を予定しているが、アプリに組み込むためのドキュメントは公開されており、すでに対応アプリがいくつか確認できる。

Xcode 6は「TestFlight Beta Testing」機能を利用可能に

 Xcode 6の新機能「Live Rendering」では、Interface Builder画面上に手書きのUIコードを表示して、コードの変更を即座に反映させることが可能。「View Debugging」の新機能では全UIレイヤーを3Dで展開してインターフェースの構成を確認したり、重複する箇所を見つけたりすることができる。Swiftで書いたコードは「Playgrounds」で即座に出力して表示可能だ。

 2014年2月に米アップルが買収した、iOSアプリの配信をサポートするWebサービス「TestFlight」については、「TestFlight Beta Testing」機能としてXcode 6に組み込まれた。開発者は「iTunes Connect」を利用することで、UDIDのトラッキングやプロビジョニングプロファイルを必要とせずに、テスターにアプリのベータ版を配布できる。なおテスター側は、開発者からのテスト招待メールや「TestFlight」アプリ(iOS 8以降対応、2014年9月9日1.0版提供開始)の端末インストールが必要となる。これにより、アプリのベータ版を一度インストールしておけば、新しいビルドが利用可能になるたびにテスターに通知が届くようになる。

Apple Watchの「WatchKit」は発表のみ

 また米アップルは、2015年初頭から提供開始予定の腕時計型端末「Apple Watch」の開発プラットフォーム「WatchKit」も発表。WatchKitの開発者向け提供開始時期については発表されていない。

Swift 1.0で開発したアプリがApp Storeで登録可能に。Yosemiteは今秋後半提供開始予定

 新しいオブジェクト指向プログラミング言語のSwiftは、2014年6月のベータ版提供開始から機能の改善を行い、今回バージョン1.0となった。Swiftは「Cocoa」「Cocoa Touch」フレームワーク向けに設計された言語で、Objective-Cとの共存が可能。App StoreではSwiftを使ったアプリの受け付けを開始した。

 一方、OS X向けのSwiftは、Yosemiteが正式リリースされる時点(2014年秋後半予定)でGMとなる。OS X 10.10(Yosemite)向けアプリの開発環境「Xcode 6.1」はβ版がリリースされた。なお、Swiftがバージョン1.0となったタイミングで「final」とせず「GM」とした理由について、公式ブログでは、「Swiftは新機能追加やパフォーマンス改善、構文の精錬に向けて前進し続けるため」としている。

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