2014年12月10日にリリースされた一連の更新プログラム(パッチ)をWindows Updateなどで適用すると、Windows Defenderが起動できなくなったり、発行元が「不明」となっているUAC(ユーザーアカウント制御)のダイアログが頻繁に表示される、といった不具合が報告されている。KB3004394のパッチをアンインストールすると、これらの不具合は解消される。
対象ソフトウェア:Windows 7/Windows Server 2008 R2
【2014/12/12更新】
Microsoftはサポート技術情報3004394を更新し、KB3004394のパッチに関して以下の事実を公表した:
そのほかのマイクロソフト提供の情報ページを以下に記す:
今後、より詳細な情報がまとまった時点で、本ページの記載内容を更新する予定だ。
2014年12月10日以降、Windows 7搭載マシンで次のような不具合が生じていないだろうか?
これらは、いずれも筆者がWindows 7マシンに「KB3004394」の更新プログラム(パッチ)を適用した後に遭遇した現象だ。同様のことは、インターネット上の複数の掲示板に報告されている。
KB3004394のパッチは、マイクロソフトが2014年12月10日(セキュリティ情報の公開日)に公開したもので、Windows Updateでは「推奨」パッチとして配布されていた。そのため、Windows Updateで「推奨」パッチも「重要」パッチと同じく適用するように設定している場合、同日にリリースされたセキュリティパッチなどと一緒に適用された可能性が高い。
このKB3004394のパッチは、Windows OSに対して、緊急性の高いルート証明書の更新を24時間以内に自動適用するためのものだ。
実際に筆者がKB3004394のパッチをアンインストールしたところ、前述の不具合は全て解消された。掲示板にもアンインストールで解消されたという報告は多数見つけられる。
だが、本当にアンインストールしても大丈夫なのだろうか? セキュリティ上、危険はないのだろうか?
公開当初、マイクロソフトはWindows Updateで、KB3004394のパッチをセキュリティ関連でも「重要」レベルでもないパッチとして扱っていた。また同社はWindows Updateおよび同社のダウンロードセンターで、Windows 7/Windows Server 2008 R2向けパッチの配布を停止したようだ(12月11日 15時現在)。以上から、早急にこのパッチを適用する必要はないと判断できる。
そこで本稿では、KB3004394がインストール済みかどうか判定する方法と、アンインストールする方法を説明する。
KB3004394のパッチが適用済みかどうか確認するには、まずコントロールパネルから[プログラムと機能]を開き、以下のように操作して適用済み更新プログラムを検索する。
もしKB3004394のパッチが適用済みだったら、次の手順でアンインストールする。
システムを再起動したらアンインストールは完了だ。
前述の通り、KB3004394のパッチの配布はすでに停止されているようだ。しかし、まだ2014年12月の定例パッチを適用していないシステムの場合、Windows Updateがこのパッチをシステムにダウンロード済みだと、今後もWindows Updateで適用される恐れがある。
このような場合は、[更新プログラムの確認]をクリックして、適用可能なパッチを再度検出させてみる。
パッチ検出が完了したら、再び「<個数> 個の重要な更新プログラム が利用可能です」というリンクをクリックして、適用可能なパッチ一覧を確認しよう。KB3004394のパッチは消えているはずだ。
どうしてもKB3004394のパッチが残留する場合は、上記画面でKB3004394のパッチを右クリックし、[更新プログラムの非表示]をクリックする。これでKB3004394のパッチはリストアップされなくなる。ただ、これを実行すると、不具合が修正されたKB3004394のパッチが再リリースされてもリストアップされない恐れがあるので、注意していただきたい。
従来、こうしたパッチの不具合が発生すると、マイクロソフトは緊急レベルなら数日、そうでなければ2週間から1カ月程度で、不具合を解消した新バージョンのパッチをリリースしてきた。今回のKB3004394のパッチについても、同様に再リリースが期待される。そのときに、あらためて適用すればよいだろう。
■更新履歴
【2014/12/12】MicrosoftがKB3004394のパッチについて更新した情報を、冒頭に追記しました。
【2014/12/11】初版公開。
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