フェイスブックが設計を公開したモジュラースイッチ「6-pack」とはデータセンターのコアを担う

米フェイスブックは2015年2月11日(米国時間)、同社が開発してきたモジュラースイッチ「6-pack」の概要を、ブログで明らかにした。これは、データセンターのコアを担うスイッチだ。同社のブログポストに基づいて、これを紹介する。

» 2015年02月13日 16時58分 公開
[三木 泉,@IT]

 米フェイスブックは2015年2月11日(米国時間)、同社が開発してきたモジュラースイッチ「6-pack」の概要を、ブログで明らかにした。同社がリードするデータセンター構成要素の「オープンソース化」プロジェクトであるOpen Compute Project(OCP)に、仕様を提供する予定という。

 6-packはデータセンターのコア(あるいは「リーフ/スパイン」の「スパイン」)スイッチとして設計されている。ブログを投稿したユーバル・バチャー(Yuval Bachar)氏は、次のように説明している。

 「われわれは、まず(「Wedge」というコードネームの)トップオブラック(TOR)・スイッチと、(「FBOSS」というコードネームの)LinuxベースのOSを設計した。次にデータセンター・ファブリックを設計した。これはモジュラーなネットワークアーキテクチャで、迅速かつ容易な拡張を可能にした。どちらのプロジェクトでも、ハードウェアとソフトウェアのレイヤを分離することで、われわれのネットワークの運用に、より優れた可視性、自動化、制御性をもたらせた」

 「だが、これらすべての進展にもかかわらず、もう1つのステップが残されていた。TORスイッチ、ファブリック、これを動かすソフトウェアがあっても、ファブリック上のすべてのモジュラースイッチのための拡張性の高いソリューションが欠けていた。だから、われわれは、最初のオープンなモジュラースイッチ・プラットフォームをつくった。そして『6-pack』と名付けた」

6-packはどういうスイッチか

 6-packは、図のようにシャーシスイッチの形状をしていて、これにハーフ幅のラインカード8枚、フル幅のファブリックモジュール2枚、そして冗長電源が組み込まれている。ラインカードを含め、すべてのモジュールがそれぞれ独立して動作する。すなわち、全カードがそれぞれマイクロサーバーを備え、各自が外部のSDNコントローラーと通信するようになっている。SDNコントローラーとの接続が得られない場合でも、カード上の通信に関する設定に基づいて動作する。

割れた腹筋のように見えることから6-packと名付けられたようだが、腹筋は左右に3つずつのはず……

 ブログによると、6-packのラインカードとファブリックモジュールの設計は、どちらもフェイスブックが2014年6月に公開したTORスイッチ「Wedge」と、ほとんど共通だという。

 すなわちWedgeは、1.28Tbpsの容量を備えるスイッチASICおよびマイクロサーバーを備え、40Gbps×16ポートを提供していた。6-packのラインカードも同じだ。違いは、Wedgeで活用されていなかった640Gbpsのスイッチ容量を活用し、バックプレーン接続していることにある。

 一方、6-packのファブリックモジュールは、それぞれが6-packのラインカードを(文字どおり)2つ横に並べた構造になっている。つまり、2つの1.28TbpsスイッチASICを備え、各ラインカードからの40Gbps×8の接続を受けてスイッチングを行う。6-packは2枚のファブリックモジュールを備えるが、各ラインカードはこの2枚のファブリックモジュールに対して冗長接続することで、可用性を確保している。

すべてのラインカードは、2枚のファブリックモジュールに対して冗長接続を行う

 ブログポストでは、このアーキテクチャが汎用部品を活用し、高いモジュラー性を実現しており、さらに拡張性の高いネットワークの構築も可能であることを強調している。

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