vCloud Air利用時の留意点を確認したところで、さっそく「vCloud Airカタログ」を利用して仮想マシン環境を試してみましょう。手順は非常に簡単です。
では、実際に仮想マシン環境の構築を行って、仮想マシンの作成方法やネットワークに関する簡単な設定を見ていきましょう。今回は図2の仮想マシン環境を構築します。
構築する環境は二つの仮想マシンと接続するネットワークの設定です。
仮想マシン1(CentOS)はインターネットにアクセス可能なネットワークに接続します。仮想マシン2(Ubuntu)はインターネットにアクセスが不可能なクローズドネットワークに接続します。外部からは仮想マシン1を「踏み台」としてSSH接続し、そこから仮想マシン2に接続します。
ここでは、手順を確認するために仮想マシン1をvCloud Airカタログのテンプレートを使って作成、仮想マシン2をvCloud Airカタログのテンプレートを使わずに作成していきます。
作業は大きく分けると次の3ステップがあります。
【ステップ1 仮想マシン1の作成】 仮想マシン1をvCloud Airカタログを使って作成します。
【ステップ2 仮想マシン1のネットワーク接続】 仮想マシン1をインターネットに接続可能なネットワークに接続します。パブリックIPを用いてインターネット経由で仮想マシン1へSSHでアクセスできるようにするため、ゲートウエイのファイアウオール、NAT(NAT:Network Address Translation/ネットワークアドレス変換)の設定を行います。
【ステップ3 仮想マシン2の作成】 仮想マシン2をvCloud Airカタログのテンプレートを使用せずに作成します。OSライセンスを利用者に用意いただく「Bring Your Own License」を利用する方法です。仮想マシン2をインターネットにアクセスが不可能なクローズドネットワークに接続します。
それでは各ステップを順を追って見ていきましょう。本稿ではまずステップ1と2を、「仮想マシン2」を作成するステップ3については、次回に紹介します。
仮想マシン1(図3の赤枠部分)を作成します。ヴイエムウェアのvCloud Airカタログから、CentOSの仮想マシンイメージを展開します。
(1)新しい仮想マシンの登録
新規で仮想マシンを登録する際には、vCloud Airの管理ポータル(https://vchs.vmware.com/)から操作します(図4)。
管理ポータルにログインし、「Virtual Machines」タブを開き「Add Virtual Machine」を選択します(図5)。
(2)仮想データセンターの選択
「Add Virtual Machine」を選択すると、「New Virtual Machine」のダイアログボックスが表示されます。ここでは、新たに作成する仮想マシンを配置する仮想データセンターを指定します。今回はデフォルトで作成される仮想データセンターを選択しておきましょう。
(3)テンプレートの選択
仮想データセンターを指定すると、次にヴイエムウェアが提供する仮想マシンイメージのテンプレートが一覧表示されます。
今回は「CentOS 6.4 Japanese 64Bit」のテンプレートを選択して「Continue」を選択します(図6)。
(4)仮想マシン名、ホスト名の登録とネットワークの選択
新たに設定する仮想マシンのプロパティを操作します。表示用の名前「Name」、OSに設定するホスト名「Computer Name」に登録します。今回は、仮想マシン1の名前を「CENTOSVM001」としています(図7)。
次に仮想マシンのリソース「Allocated Resources」とネットワーク「NETWORK ASSIGNMENT」を選択します。ここではリソースにデフォルト値を、ネットワークはデフォルトのインターネットに接続可能なネットワーク「<仮想データセンター名>+-default-routed」を選択しておきましょう。
ここまでの設定が済んだら、「Deploy This Virtual Machine」を選択します。すると仮想マシン1イメージの展開が始まります。
このように簡単にvCloud Airカタログのテンプレートから新しい仮想マシンを作成することができました。
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