クラス制からトラック制に、「セキュリティ・キャンプ全国大会2015」募集締め切り目前! メンテナンスに注意

情報セキュリティ人材の育成・発掘を目的とした「セキュリティ・キャンプ全国大会2015」が2015年8月11日から15日にかけて行われる。参加者募集の締め切りは6月22日17時だ。

» 2015年06月18日 15時40分 公開
[高橋睦美@IT]

 2015年8月11日から15日にかけて行われる「セキュリティ・キャンプ全国大会2015」の参加者募集締め切りが、6月22日17時に迫っている。

 セキュリティ・キャンプは、近年とみに深刻化しているサイバー攻撃に適切に対処できる情報セキュリティ人材の発掘と育成を目的とした取り組みだ。セキュリティ分野に関心を持つ22歳以下の学生・生徒を対象に、四泊五日の合宿形式でセキュリティおよびプログラミングに関する高度な教育、実習を行う。同時に、何のために技術を用いるのかという倫理に関する内容も盛り込み、技術と倫理、両方のバランスに配慮して教育を実施していく。

 年金情報の情報流出事件を機にあらためて標的型攻撃の脅威が浮き彫りとなり、その根本的な原因の一つとして「セキュリティ人材」の不足が指摘されている。セキュリティ・キャンプは2004年から実施されており、既に480人の人材が輩出されてきた。中には、情報セキュリティを専門とする企業に就職したり、自ら起業した卒業生もある。

 2015年のセキュリティ・キャンプでは、専門講義のカリキュラム構成を大幅に変更する。従来は、「ネットワーク・セキュリティ」「Webセキュリティ」「ソフトウェア・セキュリティ」といったクラスに分かれ、その分野の知識を深く学ぶ形式を取っていたが、今回は、複数の分野を横断的に学習できるトラック制に移行。参加者の興味や関心に応じて、幅広い分野にまたがり知識を身に付けることができる。

 具体的には、HTTP/2やQUICといった最新のプロトコルの仕組みを学び、アプリケーションの開発現場で必要なセキュリティ技術を学ぶ「高レイヤー」、物理配線からパケット処理までの各層におけるモノづくりを通じて、インターネットと機器の動作原理を学び、IoT時代に通用するセキュリティ技術者の育成を目指す「低レイヤー」、通信や仮想マシンの挙動、ハードディスクの中身、メモリ、チップや家電の動きなど、さまざまなデータの中から異常を捕捉し、攻撃を効率的に検知、解析する術を学ぶ「検知」、さまざまな脆弱性や攻撃、マルウエアを解析する手法を学ぶ「解析」という四つのトラックを用意。希望に応じて、1時間半から2時間程度の講義を横断的に受講できるようになる。多様な分野の技術を複合的に習得することにより、これからの情報セキュリティをけん引する人材を育成することを目指す。

 セキュリティ・キャンプの参加資格は、日本国内に居住し、2016年3月31日時点において22歳以下の学生・生徒であること。参加費用は無料で、募集人員はこれまでよりも10名程度増え、50名程度となる。

 応募に当たっては、セキュリティ・キャンプの公式Webページに用意されている、共通問題3問(必須回答)、選択問題14問(5問回答)からなる応募用紙に必要事項を記載の上、メールで専用アドレスに送付する。締め切りは2015年6月22日17時だが、IPAでは6月20日の9時から13時半までシステムメンテナンスを行う予定で、この間、応募用紙のダウンロードなどができなくなる可能性があるため、注意が必要だ。

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