アウトシステムズ(OutSystems)とブルーミーム(BlueMeme)は7月14日、共同で展開する「OutSystems Platform」に関する事業戦略発表会を実施した。ソースコードを使わない開発基盤の展開により、システム開発プロジェクトのさらなる高速化を狙う。
ポルトガルのソフトウエアベンダー、アウトシステムズ(OutSystems)と、国内総代理店のブルーミーム(BlueMeme)は、2015年7月14日、共同で展開する開発支援ソフトウエア基盤「OutSystems Platform」に関する事業戦略発表会を実施した。
OutSystems Platformはいわゆる「超高速開発ツール」の一種で、ソースコードを記述しない、ビジュアル操作のみによるシステム開発を可能にする。
市場環境変化への素早い対応が求められている近年、アジャイル開発やDevOpsなどを支援するツール類が注目されているが、本製品の場合、コーディングの自動化によって開発高速化を図るアプローチを採っている。
OutSystems Platformの特徴は、ビジュアル化された開発画面にある。従来のように開発者がエディター上にソースコードを記述するのではなく、あらかじめ準備された部品を「配置」することでシステムを設計する。
こうして作成した設計情報をサーバー上に送信すると、自動的にソースコードに「翻訳」され、システムが構築される仕組みだ。
このようなビジュアル操作による開発ソフトウエアは「超高速開発ツール」と呼ばれ、アウトシステムズの他にも複数のベンダーが開発している。本製品の強みは、クライアント側の開発ツールは「設計情報のみ」を持ち、サーバー側のソフトウエアでソースコードを自動生成する点だ。これにより、SQL ServerとOracle Databaseなど異なるシステム環境に対しても、環境に適したソースコードをソフトウエアが自動生成するため、システム移行などの際のソースコード修正作業を省略することができる。
アウトシステムズ CEOのパウロ・ロサド(PauloRosado)氏は、「パッケージ製品は自由度が制限され、スクラッチ開発は時間とコストが掛かる。市場変化に対応するためには、柔軟性と効率性を兼ね備えた開発基盤が必要だ」と指摘。
ブルーミーム 代表取締役の松岡真功氏も、「開発作業を標準化・効率化すれば、大規模プロジェクトにもアジャイル開発などの俊敏な手法を適用しやすくなる」と訴えた。
製品の使用経験のないユーザーに対しては、ブルーミームのサイトで個人向けの無償版や無料のオンライントレーニングが提供される。またブルーミームでは、開発人材の充実のために、東南アジア圏での技術者育成にも力を入れていくという。
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