9月14日には「不屈の”トップガン”、サイバー攻撃に挑む」というタイトルで、NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、セキュリティクラスターでは広く名前を知られているサイバーディフェンス研究所の名和利男さんが出演され、大きな話題となりました。
セキュリティ分野で活躍している人が地上波で長時間特集されるのはおそらく初めてで、名和さん目当てに番組を見ていたセキュリティクラスターの面々のみならず、たまたま番組を見ていた一般の方々も多くのツイートを行っていました。
一般の人たちにとっては、日々海外から多数のサイバー攻撃が行われているということ自体が、初めて知る事実だったようです。そのため、実際に攻撃が行われているということ自体に驚くツイートや、サイバーセキュリティの分野で、これだけさまざまな人が防御に携わっているという現実に驚くツイートが見られました。
また、そんな多数の攻撃を個人で解析する名和さんを称賛する声や、「表に出たら狙われるのではないか」とその身を案じる声も聞かれました。名和さんのオーバーワークを心配するツイートも多かったようです。
海外からの攻撃に対する名和さんの視点がまるで軍人のようだという反応も多数ありました。名和さんが自衛隊出身だということが番組で紹介されると、納得する人も多かったようです。
一方、セキュリティクラスターでは同様の業務に携わっている人も多いためか、テレビ的な演出と現実との微妙な違いに対する指摘も見られました。
検出されたマルウエアをオープンな会議室で解析していることや、マルウエアがJavaで作成されていること、Paypalの文字列だけ平文で書かれていることなど、細かい突っ込みどころがいろいろとあったようです。
また、以前から報道などで「日本国内のトップガンは10人程度」などといわれていることから、名和さん以外の9人を知りたがる人や、「トップガンになるには子供を乗せて腕立て伏せできるようにならないといけないのか」などと番組内で触れられた名和さんの私生活に反応する人もいました。とはいえ、サイバー攻撃やセキュリティ業界の実態を広く知ってもらえたということで、基本的には好意的な反応が多かったようです。
ちなみに、番組の終盤で「VirusTotal」の結果を見て「マルウエアがメキシコのサーバーを経由している」と解説する部分がありましたが、番組内で示されていた16進数の値はIPアドレスではないのでは、という指摘が多数入っていました。これは、やはり違っていたようです。
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