Bluemixには30日の無料試用期間があります。30日を越えるとアプリケーションが停止してしまいますが、クレジットカードを登録すれば継続して使えます。「お金は払いたくない」という方、ご安心を。クレジットカードを登録しても、無料枠を超えなければ請求は発生しません。無料試用期間を過ぎても、枠を超えなければ、無料で使い続けることは可能です。
これまでも何度かBluemixを取り上げていますが、確認するたびにサービスが増えていることに驚かされます。2015年9月下旬の本稿執筆時点でBluemixにログインしてカタログを開くと、Watson関連のサービスが16個表示されました(今後、増減する可能性があります)。
このそれぞれのサービスは部品なので、アプリケーションと関連付けるなどして使います。サービスを選んで「使用」ボタンをクリックすると、サービスインスタンスが立ち上がります。
これらのサービスの中で油谷氏が「すぐに使えるもの」として紹介したのは以下のものです。例えば「Language Translation」では100万字まで無料で、以降は1000文字あたり0.02米ドル(約2.4円)というような料金体系になっています。
各サービスを見ると「テキストや画像の分析や自然言語処理に関する機能」が多いですね。中でも興味が湧くのが「Visual Recognition(画像認識)」です。
先述したBluemix開発コンテストではこの画像認識APIを用いたアプリがあり、またイベントの別セッションではNASA(アメリカ航空宇宙局)の画像を認識するために利用した経緯を発表するものもありました。本来とは違う目的のようですが、画像認識は遊びとしても楽しめるようです。
より実用的な機能としては「Question and Answer」があります。文字通り、質問に対して自動回答するためのサービスです。回答するための知識はIBMが読み込ませたデータを元にしており、現時点では旅行とヘルスケア分野が強いとされています。
読み込ませるデータは「コーパス」と呼びます。コーパスとは、大量に収集したテキストデータを自然言語処理のためにコンピューターで解析可能な形に構造化したデータです。独自のデータからコーパスを定義することもできますので、自分の環境や目的に合わせてWatsonを教育するような感覚で精度を高められます。
ただし独自コーパスを作成するには、WatsonのQ&A機能をIBM Cloudではなくユーザー独自の環境で稼働させる必要があります。これには「Watson Engagement Advisor」という特殊なライセンスが必要となり、「US Watson Ecosystem」に申し込む必要がありました。しかし、2015年10月1日からソフトバンクと日本IBMが共同で展開する「日本版のWatsonエコシステムプログラム」が開始されましたので、申請までのハードルは下がりそうです。今後の発展が楽しみですね。
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