ヴイエムウェアがハイブリッドクラウド管理自動化ソフトウエアの最新版「VMware vRealize Automation 7」などを発表。ITサービスの利用で発生するコストや利用状況を把握しやすくし、IT部門が自社に向けたサービス力の強化を率先できるソフトウエアとして展開する。
ヴイエムウェアは2015年10月14日、ハイブリッドクラウド環境に対応するクラウド管理自動化ソフトウエアの最新版「VMware vRealize Automation 7」とクラウド運用コスト管理ソフトウエアの最新版「VMware vRealize Business Standard 7」を発表した。
既に投入したクラウド運用管理ソフトウエア「VMware vRealize Operations 6.1」とログ管理と分析機能を提供する「VMware vRealize Log Insight」と共に、ハイブリッドクラウド管理プラットフォーム「VMware vRealize」のソフトウエア群が一新されたことになる。
VMware vRealize Automationは、さまざまなITサービスをユーザーがセルフサービスで利用するための仕組みを提供する製品。IaaSだけでなく、アプリケーション展開の自動化なども受け持つ。新バージョンの「VMware vRealize Automation 7」では、インフラ、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーション、カスタマイズしたITサービスなどのクラウドリソースにおいて、それぞれの要素間の関係性や依存性をモデル化し、明示的に分析できる「統合サービスブループリント機能」を新たに備えた。モデル化したブループリント上でネットワークやマイクロセグメンテーション(セキュリティのセグメントを小さくし、仮想マシン単位まで分割すること)を動的に配置できるようにもなる。
ブループリント機能は、他者パブリッククラウドを含むハイブリッドクラウド環境でも使える。「VMware vCloud Air」だけでなく、「Amazon Web Services(AWS)」などのパブリッククラウドと、「VMware vSphere 6 Update 1」や「OpenStack Kilo」のプライベートクラウドに対応する。この他、シングルサインオン/ID管理ソフトウエア「VMware Identify Manager」と統合し、多要素認証やスマートカード対応、外部認証サービスとの統合などのIDサービス環境も強化した。
VMware vRealize Business Standardは、ハイブリッドクラウドの運用コストや配賦価格の管理を行うソフトウエア。新バージョンの「VMware vRealize Business Standard 7」は、IT部門が自社のITサービスの可視性を高め、コストと品質に関する管理体制を強化を図れる機能追加を行った。VMware vCloud Air、AWS、「Microsoft Azure」など、幅広いプライベート/パブリッククラウド環境に対応し、包括的にプライベートクラウド、パブリッククラウドのコストを比較できる。
また、新バージョンでは「ショーバック機能」もハイブリッドクラウド環境に対応した。ショーバック機能はクラウドリソースの使用量を詳細に分析し、IT部門が業務部門へ請求する部門負担額などの算出を容易にする。
価格は、VMware vRealize Automation 7 AdvancedエディションがOSインスタンス当たり5万円(税別、以下同)から、Enterpriseエディションが同9万7000円から。VMware vRealize Business Standard 7が同2万5000円から。これらは二つは、スタンドアロン版の他にそれぞれ包括パッケージのVMware vCloud Suite(同84万4000円から)とVMware vRealize Suiteにも含まれる。提供予定は2015年第4四半期(2016年1月〜3月)を予定する。
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