VMware Virtual SAN(VSAN)でNVMeフラッシュが正式に利用可能に。性能評価の資料を含む情報をJohn Nicholson氏がブログで公表した。
「VMware Virtual SAN(VSAN)」の認定ハードウエアリスト(HCL)に、初めてNVMeドライブが登場した。2015年11月11日(米国時間)に米ヴイエムウェアの公式ブログでJohn Nicholson氏が公表している。
NVMeとは、「Non-Volatile Memory Express」の略称で、フラッシュストレージデバイスをPCI Express(PCIe)に接続するための新しい標準規格。AHCIやSCSIを使用する従来のフラッシュデバイスではコマンドキューの数は一つだけで、キューデプス(一つのキューが同時に扱える最大コマンド数)は、AHCIでは32、SCSIでは254。一方のNVMeではコマンドキューの数が65536、キューデプスも65536と桁違いのコマンドを受け取れるため、レイテンシー(遅延時間)が低くなる。フラッシュストレージやメモリへの並列アクセスも可能であることから、ブログでは「NVMeでVSANクラスターを構成することで、性能が数百万IOPSにまで容易に高まる」としている。Nicholson氏は、その論拠にKenneth Letourneau氏が公開したリポートを紹介している。
VSANはストレージリソース部分を担う製品。物理環境のハードディスクドライブとフラッシュをリソースプールとして抽象化し、共有データストアを形成するためのもの。フラッシュストレージをキャッシュとして利用することで応答性能を高めている(フルフラッシュの構成も可能)。
このフラッシュストレージ部分にNVMe対応のものを利用することで、キャッシュプールそのものの応答性能がより高まることになる。
VSANはソフトウエアであるため、PCIeバスでNVMeに対応しているサーバーであれば、カードを取り付けるだけで、VSANクラスターでのIOPS向上とレイテンシー低減が実現する。ただしNVMeの仕様ではホットプラグは定義されておらず、これはPCIe側での対応に頼ることになる。また現時点ではNVMeに対応するRAIDコントローラーは存在しないが、これについては「VSANの分散型ミラーリング機能で代替できる」(Nicholson氏)としている。
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