VMware Virtual SANでNVMeフラッシュを選択可能にVSANの性能向上に期待

VMware Virtual SAN(VSAN)でNVMeフラッシュが正式に利用可能に。性能評価の資料を含む情報をJohn Nicholson氏がブログで公表した。

» 2015年11月19日 15時52分 公開
[@IT]
VSAN HCLに加わったNVMeフラッシュストレージ

 「VMware Virtual SAN(VSAN)」の認定ハードウエアリスト(HCL)に、初めてNVMeドライブが登場した。2015年11月11日(米国時間)に米ヴイエムウェアの公式ブログでJohn Nicholson氏が公表している。

 NVMeとは、「Non-Volatile Memory Express」の略称で、フラッシュストレージデバイスをPCI Express(PCIe)に接続するための新しい標準規格。AHCIやSCSIを使用する従来のフラッシュデバイスではコマンドキューの数は一つだけで、キューデプス(一つのキューが同時に扱える最大コマンド数)は、AHCIでは32、SCSIでは254。一方のNVMeではコマンドキューの数が65536、キューデプスも65536と桁違いのコマンドを受け取れるため、レイテンシー(遅延時間)が低くなる。フラッシュストレージやメモリへの並列アクセスも可能であることから、ブログでは「NVMeでVSANクラスターを構成することで、性能が数百万IOPSにまで容易に高まる」としている。Nicholson氏は、その論拠にKenneth Letourneau氏が公開したリポートを紹介している。

Kenneth Letourneau氏のリポート

 VSANはストレージリソース部分を担う製品。物理環境のハードディスクドライブとフラッシュをリソースプールとして抽象化し、共有データストアを形成するためのもの。フラッシュストレージをキャッシュとして利用することで応答性能を高めている(フルフラッシュの構成も可能)。

 このフラッシュストレージ部分にNVMe対応のものを利用することで、キャッシュプールそのものの応答性能がより高まることになる。

 VSANはソフトウエアであるため、PCIeバスでNVMeに対応しているサーバーであれば、カードを取り付けるだけで、VSANクラスターでのIOPS向上とレイテンシー低減が実現する。ただしNVMeの仕様ではホットプラグは定義されておらず、これはPCIe側での対応に頼ることになる。また現時点ではNVMeに対応するRAIDコントローラーは存在しないが、これについては「VSANの分散型ミラーリング機能で代替できる」(Nicholson氏)としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。