「ハッカー」「クラッカー」など、アプリケーションやWebサイトのセキュリティホールを探したり、攻撃したりする人の呼称に関しては、インターネットが普及する前から議論が絶えません。
攻撃者のことを「ハッカー」と書くと、「ハッカーではなくクラッカーだ」と指摘する人が20年以上前から尽きないように、こうした用語については一家言持っている人も多いようです。
そんな「ハッカー」ですが、最近のメディア報道などで、善意でWebサイトなどのセキュリティホールを探して報告を行う人、あるいはセキュリティエンジニア全般を指して、「ホワイトハッカー」という用語が使われることが増えてきました。「良いハッカー」という意味合いのようです。
なぜこの語が用いられるようになったのか、詳しい経緯は分かりませんが、Web上でこの言葉に関する解説記事が公開されたのをきっかけに、さまざまな意見がツイートされました。
米国などで使われている「ホワイトハットハッカー」の誤用ではないのかという意見や、「ホワイト」「ブラック」は人種を意味することもあるのであまり使わない方がいいという意見、無理にハッカーと呼ばなくても単に「セキュリティエンジニア」でいいのではないかとする意見など、「ホワイトハッカー」という語に対して違和感を示す人が多かったようです。
一方で、「もうどうでもよくなった」「日本だけで使うならいいのではないか」といった意見もありました。ちなみに、韓国でも同じ言葉が使われ始めているそうです。
また、今度は別の記事で「善玉ハッカー」という言葉が使用され、再び議論が巻き起こります。「善玉」という単語が「乳酸菌」と組み合わせて使われることが多いためか、これを連想した人が多かったようです。
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