Cherry Trail世代のAtomとWindows 10 Homeを搭載する“開発者向け”超小型コンピュータ「ラテパンダ」がクラウドファンディングに登場。価格は約8000円台から。
超小型のむき出しWindows 10マシン「LattePanda(ラテパンダ)」が、クラウドファンディングのKickstarterに登場。Windows 10 Homeプリインストール搭載マシンながら日本円換算で約8300円からとなる価格帯と、“いろいろできそう”な仕様に、「こんなのを待っていた」「ラズパイ対抗だ」と開発者周辺で話題になっています。
LattePandaは、Cherry Trail世代で1.84GHz動作のクアッドコアAtomプロセッサー(Atom x5-Z8300と思われます)、2G〜4GBのメモリ、32G〜64GBのストレージ(eMMC)に、Windows 10 Homeをプリインストールした、むき出しタイプの小型コンピューター。入出力インターフェースはUSB 3.0、USB 2.0、HDMI出力、Micro SDスロットなど、通信機能として有線LAN(100BASE-TX/RJ-45)、Wi-Fi、Bluetooth 4.0をオンボードで搭載します。
価格は「Eeary Bird(早期特典)版」で69ドル/45ポンド(約8300円)から。メモリやストレージ容量を強化した「エンハンスド版」(129ドル、約1万5500円)、LattePanda本体と7インチディスプレイやUSB ACアダプター、接続ケーブルをセットにした「スターターキット」(99ドル、約1万2000円)、スターターキットを10台セットにした「ディストリビューションキット」(899ドル、約10万8500円)、14種類のセンサーデバイスをキットにした「ハードウエアデベロップメントキット」(209ドル、約2万5000円)なども用意します。2016年3月の出荷を予定しています。
ライバルは、ARMベースのSoC(System on Chip)とLinuxで動作する「Rasberry Pi 2」としているようです。Rasberry Pi 2はLinuxだけでなく、マイクロソフトよりWindows 10 IoT Coreを含む開発環境が無償提供されるようですが、LattePandaは、同じWindows 10でもIoT Coreエディションではなく、デスクトップ向けのHomeエディションがプリインストールされます。また、2G〜4GBのDDR3Lメモリ、32G〜64GBのストレージも対応するので、いわゆる“一般的なWindows PCと同等”のマシンであるのが大きな違いです。センサーとモジュールの拡張にWindows対応の周辺機器が使え、電子工学の知識がなくてもプラグ&プレイで組み込めるよう設計してあります。
もう一つ、オープンソースハードウエアである「Arduino(アルドゥイーノ)」互換チップも内蔵されます。ロボットやセンサー機器の制御をはじめとする電子工作とプログラミング環境が提供され、「単なる小さなWindows PCではない。既存のAPIを使い、C#やJavaScriptなどの言語と、使い慣れたWindows環境でアプリケーション/ハードウエア開発プロジェクトが進められるのが大きな特徴」とうたっています。収集や送信だけでなく、小型サイズとパワフルさを生かしたリアルタイムなデータ分析までを含めたIoTプラットフォームを“どこへでも埋め込める”といったポイントもアピールします。
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