日立がJP1の最新版を発売。SaaS版の提供やパブリッククラウド対応強化も運用自動化機能の強化、オートスケール対応なども

日立製作所は、統合システム運用管理ソフトの最新版「JP1 Version 11」の販売を開始する。システム障害発生時の原因究明に向けた新製品をラインアップに追加するとともに、ジョブ管理など各種製品の機能を強化した。

» 2016年01月12日 15時21分 公開
[@IT]

 日立製作所(日立)は、統合システム運用管理ソフトの最新版「JP1 Version 11」の販売を開始する。クラウドや仮想化によって複雑化するITシステムの運用管理に対応するため、システム障害発生時の原因究明に向けた分析を迅速化する新製品「JP1/Operations Analytics」をラインアップに追加するとともに、ジョブ管理など各種製品の機能を強化した。

 さらに、「JP1 SaaS」として、SaaS(Software as a Service)型での提供も開始する。第1弾として、日本国内を対象に、IT資産管理サービスと高速データ転送サービスを提供する。

自動情報収集/抽出機能で障害対応を迅速化

 新製品のJP1/Operations Analyticsは、仮想化などを利用して構成が複雑化したITシステムで、サーバやストレージ、ネットワークといったシステム全体の構成要素を自動収集し、業務システムとの相関関係を可視化するツール。障害時には、障害発生箇所や原因の特定に必要な情報を自動的に抽出し、原因分析や影響把握を迅速化する。従来、管理者のスキルやノウハウに依存していた原因究明に向けた一連の作業を自動化することで、影響範囲の拡大や復旧作業の長期化を防止する。

デバイス管理、大容量データ転送機能をSaaSで提供

 一方、SaaS型での提供を開始するのは、「JP1/IT Desktop Management 2 as a Service」と「JP1/Data Highway as a Service」。前者は、PCやサーバ、スマートデバイスといったIT資産の情報やセキュリティ対策状況などを一元的に管理するサービス。スマートフォンやタブレットなどの盗難・紛失時に、遠隔地から操作不能にしたり、端末上のデータを消去したりするリモートロック/リモートワイプなどの情報漏えい対策が可能だ。そして後者は、動画コンテンツや設計CAD(Computer Aided Design)データといった大容量ファイルを、高速かつ安全にインターネット経由で遠隔地に転送するサービスである。

JP1 SaaSのラインアップは今後も随時拡大予定だという(出典:日立)

オートスケール機能に対応したジョブ管理

 ジョブ管理ツール「JP1/Automatic Job Management System」の機能も強化した。Amazon Web Services(AWS)環境のオートスケール機能を利用した仮想マシンの増減など、システム構成が変化する環境でも、ジョブの実行を可能とした。新たにREST APIに対応したことで、Webベースのアプリケーションと組み合わせてジョブを実行できるようにするなど、既存システムとWebシステムの連携が容易になる。

JP1/Automatic Job Management Systemの機能イメージ。AWSのELB(Elastic Load Balancing)を指定するとAWSのオートスケール機能に対応する(出典:日立)

 価格(いずれも税別)は、JP1/Operations Analyticsが36万円、JP1/IT Desktop Management 2 as a Serviceが初期導入費10万円、基本プラン500円/月・ノード、JP1/Data Highway as a Serviceが初期導入費10万円、基本プラン9万円/月、JP1/Automatic Job Management System 3 - Managerが27万円〜。出荷/サービス開始は、は、いずれも2016年1月29日。

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