マイクロソフトは、「SQL Server 2005」の無償エディション「SQL Server 2005 Express」のユーザーに向けて、間近に迫ったサポート終了への注意を喚起し、「SQL Server 2014 Express」へのアップグレードを呼びかけた。
米マイクロソフトは2016年3月1日(米国時間)、同社のリレーショナルデータベース管理システム「SQL Server 2005」の延長サポート終了が数週間後に迫っていることから、その無償エディション「SQL Server 2005 Express Edition(以下、SQL Server 2005 Express)」のユーザーに向けて、公式ブログでサポート終了への注意を喚起するとともに、最新版「SQL Server 2014 Express」へのアップグレードを呼び掛けた。
SQL Server 2005は2016年4月12日(日本時間)に延長サポートが終了する。SQL Server 2005 Expressは、クライアントデータベースとしても、基本的なサーバデータベースとしても利用できるエディションで、無料でダウンロード配布されていた。マイクロソフトは、「SQL Server 2005 Expressは、アプリケーションと共にインストールしたり、カスタムアプリケーションを作成したりすることが容易であるため、社内で稼働していても、IT部門が認識していない場合もある」という。
自身が利用しているかどうかが不明な場合は、無料ツールキット「Microsoft Assessment and Planning Toolkit」(MAPツール)を使ってインフラとデータベースを包括的に評価することを勧めている。
さらにマイクロソフトは、延長サポート終了に伴い、重要なセキュリティ更新プログラムと修正プログラムの提供が終了することから、「SQL Server 2005 Expressを運用し続けると、組織がビジネスの中断や、セキュリティおよびコンプライアンス上の問題、保守コストの増加といったリスクにさらされることになる」と説明し、SQL Server 2014 Expressへのアップグレードを促している。
同社は、最新のSQL Server 2014 Expressを使用することで、アプリケーションには以下のようなメリットがあると述べている。
スケーラビリティ データベースサイズの上限がSQL Server 2005 Expressの4GBから、SQL Server 2014 Expressでは10GBに拡大する
管理性 SQL Server 2014 Expressは、Windows PowerShell 3.0によるスクリプティングをサポートする。統合管理ツール「SQL Server Management Studio」を利用したポリシーベース管理も可能
プログラマビリティ SQL Server 2014 Expressは、.NET、C、C++、Java、Linux、PHPといった幅広いプログラミング言語およびプラットフォームに対応。また、Visual Studioに統合されているデータベース開発ツール「SQL Server Data Tools」もサポートする
セキュリティ SQL Server 2014 Expressは、ユーザー定義のサーバロール、義務の分離の向上、暗号化バックアップのサポートなど、セキュリティが大幅に強化されている
なお、Expressエディションを含むSQL Server 2005(SP4以降)は、最新のSQL Server 2014へのアップグレードパスが用意されている。
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