パッケージ製品、プリインストール製品、およびOffice 365サブスクリプション製品として提供されているWindows向けのOffice 2016。2016年2月末時点の最新バージョンは「16.0.6568.2025」です。もし、Office 365 ProPlusを含む企業向けのOffice 365サブスクリプションをご利用なら、通常は「16.0.6001.1061」のはずです。このバージョンの違いがなぜ生じるのか、ご存じですか?
皆さんがお使いのWindows PCには、「Office 2016」アプリケーションがインストールされていますか。Office 2016を利用中の場合は、最新バージョンになっているかどうかを、時々確認することをお勧めします。
Office 2016は企業向けのボリュームライセンス製品を除き、「クイック実行(Click to Run:C2R)」形式でインストールされ、Windows Updateではなく、Officeアプリケーション自身に組み込まれた更新機能により自動更新されます。この更新方法は、Office 2013から採用されたものであり、Office 2010からOffice 2016に乗り換えたユーザーは少々戸惑うかもしれません。
現在のバージョンを確認するには、Officeアプリケーションの1つ(例えば、Word)を起動し、「ファイル」メニューから「アカウント」を選択します。「更新オプション」のメニューから「今すぐ更新」をクリックすると、手動で更新を開始することができます。
2016年2月末時点では、2016年2月16日(米国時間)にリリースされたバージョン「16.0.6568.2025」が最新です。ただし、企業向けの「Office 365サブスクリプション」のうち、「Office 365 ProPlus」「Office 365 Enterprise E3」および「Office 365 Enterprise E5」に付属するOffice 365 ProPlusを利用している場合は、通常、バージョン「16.0.6001.1061」が最新になります。
Office 365 ProPlusをインストールした方法によっては、最新のバージョン「16.0.6568.2025」にすることも可能ですが、ほとんどの場合、バージョン「16.0.6001.1061」のはずです(画面1)。企業によっては、まだOffice 2013バージョンのOffice 365 ProPlusを実行しているところも多いでしょう。
このように、企業向けのOffice 365 ProPlusには現在、「Office 2013バージョン」と「Office 2016バージョン」の2つのメジャーバージョンが存在し、Office 2016バージョンのOffice 365 ProPlusにはさらに複数のバージョンが存在します。この複数のバージョンは、Office 2016バージョンのOffice 365 ProPlusから導入された「更新ブランチ(Update Branch)」に由来します。
Office 2016バージョンのOffice 365 ProPlusには、「Current Branch(CB)」「Current Branch for Business(CBB)」「First Release for CBB(FR CBB)」の3つの更新ブランチが存在し、既定はCBBになっています。
実は、更新ブランチのCB、CBB、FR CBBの名称は、2016年2月から「Current Channel」「Deferred Channel」「First Release for Deferred Channel」に変更されました。先ほど、企業によっては、まだOffice 2013バージョンのOffice 365 ProPlusを実行しているところも多いと言いましたが、Deferred Channel(旧称、CBB)は2016年2月に始まったばかりなのです。
Office 2016は2015年9月にリリースされ、パッケージ製品やプリインストール製品、Office 365 SoloやOffice 365 Businessではリリース直後から利用できました。Office 365 ProPlusはこれまでOffice 2013バージョンが引き続き提供されており、2016年2月からようやくOffice 2016バージョンの提供が始まりました。
2016年2月9日(米国時間)にリリースされたバージョン「16.0.6001.1061」は、Deferred Channelの初めてのリリースになります。2月10日時点ではOffice 365ポータルからインストールできるのは、Office 365 ProPlusはOffice 2013バージョンでしたが、2月下旬(筆者の環境では2月26日から)にOffice 2016バージョンに切り替わりました(画面2)。
また、Office 2013バージョンのOffice 365 ProPlusを実行しているPCでOfficeアプリケーションを起動すると、「新しいOfficeをインストールしましょう」のメッセージが表示されるようになりました。「Officeの更新」をクリックすると、Office 2016へのアップグレードを開始できます(画面3)。
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