セキュリティポリシーの策定が必要であることは分かりました。でも、正直に言うとポリシーだけ定めたってどうせ効果はないと思ってしまいます。
その通りです。定めたセキュリティポリシーは、PDCAサイクルに沿って実際に運用できなければ、無用の長物になってしまいます。
事実、情報漏えい事件を起こしてしまった多くの企業には、セキュリティポリシーが存在しました。しかしながら、実際には「社員がポリシーを守らなかった」ことが原因となった事件が多く発生しているのです。ポリシーやルールが順守されていない理由としては、「そもそも読んだことがない」あるいは「読みはしたが内容が分からなかった」といったことが考えられるでしょう。
セキュリティポリシーは、「制定した」だけでは意味がありません。制定した内容に従って、運用することが重要です。そして、運用上の問題点があればポリシー自体も常に改善していかなければなりません。
つまり、「PDCA(Plan、Do、Check、Act)」のサイクルを回すことが重要です。一度決めたルールであっても、それが順守されているかどうか、定期的にチェックを行い、必要に応じて指導・教育していく必要があります。
チェック、指導の対象はセキュリティ担当者だけで十分ですよね?
全ての従業員がポリシーを順守しなければ、セキュリティを維持することはできません。
セキュリティはよく城壁に例えられます。全体として強固な作りになっていても、たった一箇所弱い部分があると、そこが狙われてしまいます。社員全員がセキュリティに対する意識を高めないと、せっかく定めたセキュリティポリシーも全く意味のないものになってしまいます。ぜひ、自社のセキュリティポリシーを確認してみてください。
次ページからは、セキュリティポリシー見直しのポイントを紹介します。
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