残り1カ月を切った段階では、基礎知識をじっくり学習している時間はありません。でも、基礎知識をおろそかにしていいというわけではありません。基礎知識については、問題を解きながら同時に学習していきましょう。
そのためには、問題中に登場した知らないキーワードについて、理解できるまでご自身で調べてください。分からない言葉をそのままにしては、同じ問題でまた間違えることになります。それでは過去問を解く意義も薄れてしまいます。
それから、基本情報技術者試験は技術者向けの試験ですので、過去問も「技術的」「物理的」な内容が中心です。従って、情報セキュリティマネジメント試験が求めるような「人的・組織的」な部分がやや薄くなっています。
そこで、前回までにも説明してきたことですが、「人的・組織的」な部分のフォローとして「組織における内部不正防止ガイドライン」に,目を通しておきましょう。特に「人的・組織的」対策の内容をよく読んでおくといいでしょう。具体的には以下の章です。
さて、「何を唐突に?」と思われるかもしれませんが、最後に「この試験に受かる人がどんな人なのか」を紹介しましょう。社会人経験が豊富な人だけが合格するのでしょうか? 決してそんなことはありません。例えば、この試験と同じレベル2の基本情報処理技術者試験において、2015年の最年少合格者は12歳の方だったそうです。当然、業務経験はありませんよね。それから、以下のデータも見てください。こちらも基本情報処理技術者試験のものです。
社会人経験なしの人の合格率は、全体の合格率である25.5%を上回っています。さらに、1年未満の人の合格率が最も高い32.7%であるのに対して、不思議なことに、経験年数が上がるにつれて合格率が下がっているのです(「若さ故の頭の柔らかさ」などが影響しているのかもしれません)。これを見ると、試験の合格と経験の有無など全く関係ないことが分かります。
重要なのは業務経験ではなく、「きちんと勉強したか」に尽きると筆者は考えています。これまで多くの情報処理技術者試験の合格者に接してきましたが、やっぱり皆さんきちんと勉強されていますし、過去問を繰り返し解いています。そういう地道な学習が、合否を左右するのでしょう。
読者の皆さんも、残り1カ月ですが、最後まで頑張って勉強を続けてください。特に、今回紹介したような問題演習に力を入れましょう。ちなみに、私のWebサイトで合格体験記を募集する予定ですので、見事合格されたという方は、ぜひご協力ください。それでは、皆さんの合格を心よりお祈り申し上げております。最後までお付き合いいただきありがとうございました!
左門 至峰(さもん しほう)
現役のSE(システムエンジニア)兼 ITライター。保有資格は、情報セキュリティスペシャリスト、情報セキュリティアドミニストレータ、プロジェクトマネジャー、システム監査技術者など。
直近の著書は、問題集(午前が約300問、午後13問)を含む情報セキュリティマネジメント試験の対策本「情報が漏えいしても黙っておけばいいと考えている皆さん セマネしましょう 情報セキュリティマネジメント試験対策」(税込1620円)。
他にも、ネットワークスペシャリスト試験対策の「ネスペ」シリーズ(技術評論社)や、情報セキュリティスペシャリスト試験対策の「セスぺ」シリーズ(日経BP社)など著書多数。
情報セキュリティマネジメント試験対策本のサイトであるhttp://sg.seeeko.com/にも遊びに来てください。
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