米ブロケードは2016年4月4日、米ラッカス・ワイヤレスの買収で確定的な合意に達したと発表した。買収額は15億ドル。ブロケードはこの買収を通じ、モバイル通信の5Gへの進化に向けた取り組みをさらに強化する。
米ブロケードは2016年4月4日、米ラッカス・ワイヤレスの買収で確定的な合意に達したと発表した。買収額は15億ドル。ブロケード会計年度の第3四半期に完了の予定という。
ラッカスは、年間売上3.7億ドルのWi-Fi製品・サービス開発・販売企業。エンタープライズWi-Fi市場におけるシェアはシスコシステムズ、HP(Aruba Networks)に次いで第3位だが、サービスプロバイダや、ホテルなどのホスピタリティ施設で多くの実績がある。日本ではKDDIがauの通信オフロードで、ラッカスのアウトドアWi-Fiアクセスポイントを採用している。
今回の買収により、ブロケードは上記のようなラッカスのWi-Fi事業を手に入れるが、さらに5Gを見据えたブロケードの取り組みが加速できることになる。
携帯電話ネットワークは5Gで、Wi-Fiとの技術的な融合が進む。ラッカスはこれを今後の重要な事業機会としてとらえ、スモールセルを発展させる関連技術を開発してきた。同社CEOのセリーナ・ロー(Serina Lo)氏は、筆者にこれを説明していた。
一方ブロケードは、「ブロケードが『ソフトウェアでモバイル通信の世界に破壊的な革新をもたらす』事業を本格始動」という記事で紹介したように、5Gに向けた動きをリードすべく、モバイルパケットコアおよびNFV(Netwrok Function Virtualization)の技術・製品を拡充している。今回の買収は、この動きに沿ったものといえる。
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