ブロケードは2016年1月21日、同社のモバイルネットワーキング事業戦略について説明、「モバイル通信の世界に破壊的な革新をもたらす」と宣言した。同社は2月下旬の「Mobile World Congress 2016」で、新製品群を包括的に発表するという。
ブロケードは2016年1月21日、同社のモバイルネットワーキング事業戦略について説明、「モバイル通信の世界に破壊的な革新をもたらす」と宣言した。同社は2月下旬の「Mobile World Congress 2016」で、新製品群を包括的に発表するという。
「破壊的な革新」の意味を、ブロケードは次のように説明する。
まず「NFV(Network Function Virtualization)」というキーワードがある。モバイル通信事業者はそのコアネットワーク機能について、専用機器から仮想化環境上のソフトウェアへの移行を活発に検討している。また、NFVとSDN(Software Defined Networking)との融合で、モバイル通信サービスの付加価値を高めるチャンスも生まれている。
一方、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)が広がり、IoT(Internet of Things)とも絡み合って、モバイル通信機能を提供するプレイヤーは増加していく。既存のモバイル通信事業者は収益を確保するため、MVNOへのサービスやそれ以外の新サービスを創出していかざるを得なくなりつつある。さらに、5Gへの対応がモバイル通信事業者の新たなテーマとなってきている。
総じて、従来は限られた事業者が高価なハードウェアを使って提供してきたモバイル通信処理が、より多くのプレイヤーが動かすソフトウェアネットワーキング機能に移行しようとしている。コンピュータがメインフレームからクラウドに移行してきたのと同様な変化が起こりつつあるという。
ブロケードは、モバイル通信の世界で起こりつつある上記の根本的な変化を、事業者が先取りしていけるような製品群を、いち早く提供していくという。
「これは5年前からの戦略だ」と米ブロケードのケン・チェン(Ken Cheng)氏は話した。チェン氏は同社のCTO兼コーポレート・デベロップメント兼エマージング・ビジネス担当シニアバイスプレジデントで、モバイルネットワーキング事業の統括責任者を務めている。
ブロケードのモバイルネットワーキング戦略の中核となるのは、同社が2015年3月に買収した米Connectem。Connectemはモバイル通信のコアネットワーク機能をソフトウェアで実現するvEPC(モバイルパケットコア)製品。コントロールプレーンとデータプレーンが分離していることが大きな特色で、コストと新サービス創出の二つの側面から、競合製品に対して決定的なアドバンテージがあるという。
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一方ブロケードは、Vyatta(ソフトウェアルーター)、Vistapointe(可視化・分析)などを買収、一方でOpenDaylightプロジェクトではチェアを務めるとともにSDNコントローラーを提供。その他、ETSI Mobile Edge Computing Industry Standards GroupなどのNFV/SDN関連標準化団体・オープンソースプロジェクトに参加している。
これらの製品や技術を組み合わせて、事業者が新しい世界へ円滑に移行していけるようなソリューションを提供するという。
「(モバイルネットワークにおける)SDNの次の段階では、サイロ化されたオペレーションの島から、水平的なネットワークファブリックに移行する。NFVは、汎用x86サーバだけでなく、汎用シリコンおよびプログラマブルASICにも対応し、複数のハードウェアアーキテクチャで動くようになる。当社は機械学習にも投資しており、サービスデリバリのインテリジェント化を進める」と、米ブロケード モバイルネットワーキングCTO、ケビン・シャッツケーマー(Kevin Shatzkamar)氏は付け加えている。
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