三井住友銀行が直筆サインで電子的に本人認証できる「サイン認証」サービスを導入する。「FinTech」推進施策の一環。
三井住友銀行は2016年4月12日、個人向け銀行取引に「サイン認証」を導入すると発表した。
サイン認証は、登録したサインの「時系列の筆運び(距離、方向、筆圧など)情報」を電子化し、実取引で描くサインと照合することで本人認証を行うもの。印鑑を持参する必要がなく、盗難リスクもないなどの特徴から、利便性と安全性を両立した店舗/ネット対応サービスの強化が図れるとする。三井住友銀行は、同サービスとネットバンキングの「Web通帳」を融合し、実際の通帳や印鑑を持たずとも各種銀行取引を可能にするサービスなどを始める。
システム全体の設計と構築は日本総研とNECが担当、NTTデータがサイン認証エンジン「SignID(サインアイディー)」を開発し、サイン認証用入力端末を用意した。
金融機関はこのようなITの技術を用い、いかに顕在・潜在ニーズに応え、迅速に収益・ブランド向上につなげるかを図る「FinTech」の活用を積極的に進めている。
「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を足した造語である「FinTech」。その旗印の下、IT技術によって金融に関わるさまざまな業務や処理を利便化し、ビジネスの拡大を図る動きが国内金融業界から大きな注目を浴びている。大手銀行からスタートアップまで「FinTech」という言葉を用い、新しいビジネスを展開するニュースが相次いでいる。言葉が氾濫する一方で、必要な技術について理解し、どのように生かすべきか戦略を立てられている企業は、まだ多くないのではないだろうか。本特集では金融業界がFinTechでビジネスを拡大するために必要な技術要件を浮き彫りにし、一つ一つ解説していく。
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