米IBMは、OpenStackで構築したIaaS環境の相互運用性テストツール「RefStack」へ、重要な新機能を追加したと発表した。
米IBMは2016年4月26日(米国時間)、米国テキサス州オースティンで開催された「OpenStack Summit Austin 2016」で、「RefStack」プロジェクトへ重要な機能が複数追加されたと発表した。
RefStackは、クラウドインフラ構築ソフトウェア「OpenStack」で構築したクラウド環境の相互運用性を検証するテストツール。2015年に正式リリースされ、IBMがメインコントリビューターとなっている。IBMは、データやアプリケーションをクラウド間で自由に移動できることが今後のクラウド活用やビジネスの進化に不可欠と考えており、そうしたフレキシブルな移動を可能とするオープンクラウドの実現に力を入れている。RefStackプロジェクトへの参加は、この取り組みにおける重要な柱としている。
RefStackの新機能には、「改善されたユーザビリティ」「安定性」「OpenStack上で実行されるクラウドワークロードの接続や統合の向上をもたらす機能強化」などが含まれる。
RefStackによるテストは、OpenStackのエコシステム全体にわたる主要な相互運用性を保証する。テストの合格は、そのクラウドプラットフォームがOpenStackの動作認定を受ける前提条件であり、OpenStackの動作認定を受けたクラウドプラットフォーム同士、あるいはこれらのクラウドプラットフォームとIBM Cloud同士で、ワークロードのポータビリティが確保される。
IBMは今回のOpenStack Summitで、2016年10月に「Interop Challenge」を実施することも発表し、OpenStackコミュニティーメンバーに参加を呼び掛けた。このプロジェクトでは、さまざまな環境でOpenStackを日々使用するユーザーによって行われる実際の運用に即したテストケースを作成し、デプロイすることで、OpenStackクラウドプロバイダー間で共通に使われるコア言語の構築が進められるというもの。2016年10月には、オンプレミス、パブリック、ハイブリッドのOpenStackクラウド間での相互運用性に関するデモも公開される予定だ。
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