Microsoft Azureで、新しいサービス「Test drives on Microsoft Azure」の提供が始まりました。このサービスでは、Azure Marketplaceのパートナーアプリケーションを、“Azureサブスクリプション契約なし”で手軽かつ簡単に試用できます。
Microsoft Azureの「Azureポータル」(https://portal.azure.com)にある「Azure Marketplace」では、Azure上で動作するさまざまなパートナーアプリケーションの構成済みイメージが用意されており、幾つかのパラメータを設定するだけでAzure上に簡単かつ素早くデプロイすることができます。
通常、これらのアプリケーションには“一定の無料試用期間”が設けられており、実際に利用してみて、製品やサービスを購入するかどうかを判断することができます。
これまで、Azure Marketplaceを利用するには、有効なAzureサブスクリプション契約が必要でした(画面1)。これには、30日間の無料試用版も含まれますが、Azureサブスクリプション契約を購入する場合も、Azure無料試用版をサインアップする場合も、どちらもクレジットカード情報の登録が必要でした(Azure無料試用版の30日間は課金されません)。
2016年5月12日(米国時間)より、Azure Marketplaceで利用可能な一部のパートナーアプリケーションについては、「Test drives on Microsoft Azure」というサービスを利用することで、さらに手軽かつ簡単に試用できるようになりました。本稿執筆時点(2016年5月中旬)では、以下のWebサイトにロゴのある12のパートナーアプリケーションを利用可能です(画面2)。
Test drives on Microsoft Azureは、Azureサブスクリプション契約やAzure無料試用版がなくても利用を開始でき、一定期間、アプリケーションを試用することができます。
ただし、Test drives on Microsoft AzureのサービスはOrbitera社(http://www.orbitera.com/)が提供するため、Orbiteraアカウントのサインアップが必要です。これにはクレジットカード情報の入力は必要ありません。
このサービスは、クレジットカード情報を提供したくない人に便利です。また、Azureサブスクリプション契約を持っている場合でも、コンピューティング料金やストレージ料金などの課金が発生しないというメリットがあります。
利用者は、アプリケーションをAzureサブスクリプションにデプロイする代わりに、「Test drives on Microsoft Azureでの試用(take a free test drive first)」を選択できます(画面3)。初めて利用する場合は、Orbiteraアカウントにサインアップしてアカウントを作成します。既にOrbiteraアカウントを持っている場合は、そのアカウントでサインインします。
後は「Launch test drive」ボタンをクリックして、Azureへのデプロイを開始するだけです(画面4)。デプロイが完了すると、そのアプリケーションを時間制限付きですが、無料で評価することができます(画面5)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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