判決文を見る限り、下請けベンダーに後続フェーズの契約を断られるような非は見当たらないし、全フェーズの発注と作業を前提に基本契約を締結している。一方的に契約を結ばないのは“道義的”に見て問題があるようにも見える。
一方、基本契約にはもともと、「作業の内容」「成果物」「金額」などが記載されていない。フェーズ3、4の個別契約がない以上、下請けが支払いを求める根拠もないようでもある。
裁判でも意見が分かれたようで、第一審の東京地裁と第二審の東京高裁で異なる判断が示された。結果的に高裁の判断を双方が受け入れたが、それだけ微妙な判断だったといえるだろう。
まずは地裁の判決から見ていただこう。
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