コルタナ(Cortana)さんと遊ぼう――Cortanaを乗っ取る“いけない”遊びとはその知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(60)(3/3 ページ)

» 2016年06月21日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Cortana都市伝説:アップグレードしたらCortanaを強制された?

 Windows 10を新規インストールまたはアップグレードする際に、Microsoftアカウントでサインインするようになっていると、セットアップの終わりの方で「はじめまして、Cortanaと申します」という、Cortanaからのあいさつがあります。このセットアップ画面に、「Cortanaを使う」ボタンしかない、あるいは「Cortanaを使う」と「戻る」ボタンしかなくて、Windows 10のセットアップを先に進めるにはCortanaを有効にするしかなかった、という話を見聞きしたことがあります。

 このセットアップ画面をよく見ると、左下の方に「後で設定する」という選択肢が小さく表示されています(画面6)。ここをクリックすれば、Cortanaを有効化せずにインストールを続行できます。

画面6 画面6 Windows 10 バージョン1511の新規インストール中の画面。左下に小さく「後で設定する」というオプションがある

 Cortanaを利用する場合、位置情報やアプリに登録された連絡先、予定、アプリの通信履歴、Microsoft Edgeの閲覧履歴などの個人の情報がマイクロソフトによって収集されます。それが嫌なら、Cortanaはオフにするべきです。

 ただし、「後で設定する」を選択したとしても、Cortanaが完全にオフになるわけではありません。インストール完了のタスクバー上のCortanaと統合された検索ボックスには、「Cortanaに何か聞いてみてください。」と表示されます。ここをクリックすると、Cortanaの紹介が表示され、セットアップするかどうかを聞かれます(画面7)。ここで「必要ありません」をクリックすれば、Cortanaは完全にオフになり、検索ボックスには「WebとWindowsを検索」と表示されるようになります。Cortanaのオン/オフは、検索ボックスの設定(歯車)アイコンから設定することもできます。

画面7 画面7 Cortanaさんから熱烈なアピールがあるが、「必要ありません」をクリックしてオフにする

Cortana都市伝説:コルタナさんの背後にはハルカさんがいる!

 Cortanaのチャット機能は滑らかな日本語で受け答えしますが、アプリを開く命令やアプリから取得した情報の提供などの非定型な文章の音声、音声を正しく認識できなかったなどの問題が発生したときなど、たどたどしい日本語になることがあります。

 このたどたどしい日本語に聞き覚えがある人もいるかもしれません。この声は、「Microsoft Haruka Desktop」さんのものです。

 マイクロソフトはWindows 7以前、障がいのある方向けに日本語音声合成エンジンを無償で提供していました。Windows 8からは「Microsoft Haruka Desktop - Japanese」という日本語音声合成エンジンが、標準搭載されるようになりました。この音声合成エンジンは、Windows標準の「ナレーター」(C:\Windows\System32\Narrator.exe)やサードパーティーのアプリケーションで利用されてきました。

 「コントロールパネル」→「すべてのコントロールパネル項目」→「音声認識」の「音声合成」を開くと、Microsoft Haruka Desktopさんの声を聞くことができます。既定では「Microsoft Haruka Desktop - Japanese がコンピューターの既定の音声として選択されています。」という音声が再生されますが、このテキストボックスに任意の文章を入力すれば、その文章を再生してくれます。

 ここに「コルタナさん、○○」と入力して再生すれば、Microsoft Haruka DesktopさんにCortanaさんを操作してもらうことができるかもしれません。Microsoft Haruka Desktopさんのたどたどしい日本語は、Cortanaさんには難しいようで、これまた愉快なやりとりを見ることができます(画面8)。

画面8 画面8 Microsoft Haruka Desktopさんの日本語が苦手なCortanaさん

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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