KUSANAGIはオープンソースライセンスで提供されており、無償で利用できます。
例えばAWSで使う場合、Amazon EC2の利用料/課金は通常通り発生します。しかし、KUSANAGI for AWS自体の利用料は発生しません。
2016年6月現在、KUSANAGIは10種類のパブリッククラウドサービス(IaaS:Infrastructure as a Service)での仮想マシンイメージとして使えるようになっています。
(※サービス名のアルファベット順)
この他に、β版(2016年6月現在)ですが、Dockerイメージの「KUSANAGI Runs on Docker(以下、KUSANAGI RoD)」もDocker Hubより提供が開始されました。
さらに、2016年中に各種ローカルデスクトップの開発環境向け、あるいはオンプレミス環境向けの仮想マシンイメージの提供も予定されています。KUSANAGI、またはKUSANAGI RoDを利用することによって、プラットフォームを問わずに、開発環境から本番環境への柔軟なマイグレーションも可能になります。
KUSANAGIでは、WebサーバとしてNginxかApacheの2種類、PHP実行環境としてPHP 5.6、PHP 7.0、HHVM 3.13の3種類より、自社のシステム環境に応じて選択できるようになっています。WebサーバとPHP実行環境の初期構成は、NginxとHHVMの組み合わせとなりますが、この他にも自由な組み合せが可能です(図2)。
WebサーバとPHP実行環境の組み合わせは、管理者権限を持つユーザーによるコマンド操作のみでリアルタイムに変更できます。
参考までに、初期構成から、WebサーバをApacheに、PHP実行環境をPHP 7.0に変更する場合のコマンドは以下の通りです。
[root@ip ~]# kusanagi httpd [root@ip ~]# kusanagi php7
なおKUSANAGIでは、これまで本連載でも解説してきたように、世界的に標準の技術として使われているものを採用しています。
具体的には、ベースのOSにはCentOS 7、Webサーバには「Nginx 1.11」か「Apache 2.4」、PHP実行環境には「PHP 5.6」「PHP 7.0」「HHVM 3.13」、データベースシステムには「MariaDB Galera Server 10.0」となります。
このことは、ベンダーやプラットフォームなどのシステム環境への依存性を少なくしてブラックボックス化を防ぎ、ベンダーロックインなどのリスクを回避できることを意味します。
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