Cisco Liveで行われたプレス向け説明会では、IoTもまた、デジタルトランスフォーメーションを推進する重要な要素の1つとして位置付けられた。
米シスコのシニアバイスプレジデント、ローワン・トロロープ氏は、コンピュータの登場によってビジネスプロセスの自動化、効率化が進み、インターネットの普及によって、企業の相互接続が実現されたという過去の歴史を振り返った。
そして「ITによって製品を作るためのビジネスの在り方や生産方法は効率化したが、それによって作り出される製品自体が変わったわけではない。だがIoTによって、製品自体のデジタルトランスフォーメーションが実現するだろう」と述べた。
その変化とは、「モノ」のインターネットという言葉と矛盾するようだが、端的に言うと「サービス化」だ。これまで、企業はスタンドアロンの「製品」を生産していた。それらが相互につながり、データを活用してスマート化すると、それはもはや製品ではなく「サービス」になっていく。通信機能を備えたスマートカーがもたらす本当の価値が、車体そのものではなく、得られたデータとクラウドを活用したメンテナンスサービスや情報サービスであることがその一例だ。
トロロープ氏は、IoTによる製品のデジタルトランスフォーメーションには、セキュリティも含む新しいテクノロジー群とともに、ビジネスモデルや組織の変革も必要であると述べた。そして、「IoTはデジタルトランスフォーメーションに向けた代理人(プロキシ)であり、シスコはその変化を支援する代理人(エージェント)としての役割を果たしていく」としている。
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