Windows VistaやWindows 7はリリースされてからかなりの時間が経過し、更新プログラムの数は最後のサービスパック(Service Pack:SP)が提供されてから、100以上になっていると思います。そのため、何らかの理由でWindows VistaやWindows 7をクリーンインストールしなければならなくなった場合、最新の状態にまで更新するには時間と労力を要するようになっています。そして、クリーンインストールなのに、Windows Updateを完了できないというトラブルもあるようです。
先日、Windows 7 SP1向けに2016年4月までにリリースされた全ての更新プログラム(セキュリティ修正を含む)をまとめた「ロールアップ更新プログラム」が提供されました。以下の記事では、Windows 7 SP1のクリーンインストールからのWindows Updateと、クリーンインストールにロールアップ更新プログラムを適用してからのWindows Updateを比較しました。
その後、筆者はWindows Vistaはどういう状況なのか気になり、Windows Vista SP2のクリーンインストールからWindows Updateを実行してみました。しかし、Windows Updateでは、1つも更新プログラムをインストールすることができませんでした。マイクロソフトが公開している一般的なトラブルシューティング手法を試してみても、Webで検索できる民間療法的な手法を試してみても、数日間放置しても、全く更新されない状況です(画面4)。
Webを調べてみると、毎月のWindows Updateが異様に時間がかかる、Windows Updateが一向に進まないというトラブルはWindows 7を中心にたびたび繰り返されているようです。Windows Vistaについては、もうユーザーが少ないのでしょうか、あまり聞きませんが、筆者と同様の状況は海外のフォーラムで散見されます。
Windows 10のWindows Updateでは、更新プログラムが多すぎて問題になったり、Windows Updateのサービス側の変更の影響で問題になったりという状況は発生しないでしょう。これはWindows 10の良いニュースです。
Windows 10でなぜ問題にならないのかというと、前述のようにWindows 10の更新プログラムは“累積的な更新プログラム”だからです。Windows 10をクリーンインストールしたとしても、インストールするべき更新プログラムの数は少なくて済みます。
また、Windows 10のこれまでの状況を踏まえると、年に2回は機能アップグレードがWindows Updateで行われます。機能アップグレードは、OSのアップグレードインストールと同等であり、更新プログラムの状態はそのたびにリセットされ、更新プログラムが100を超えるという状況にはなりません。
Windows 10のWindows Updateのこの変更については、数年後に再評価されることになるでしょう。
もし、Windows 8.1以前を使っているのなら、「Systeminfo」コマンドを実行してみてください。最新状態に更新されているPCでは、更新プログラム(ホットフィックス)情報の出力が途中で途切れてしまうはずです(画面5)。Windows 7 SP1やWindows 8.1では今後、セキュリティ更新ではない重要な更新を個別ではなく、Windows 10と同じように累積的な更新プログラムとして提供するようですが、今後も更新プログラムが提供され続けることには変わりません。
なお、Systeminfoコマンドの問題は、かなり古いバージョンのWindowsから存在する既知の問題であり、Windows 8.1まで修正されることはありませんでした。インストール済みの更新プログラムをコマンドラインから確認するには、「wmic qfe」コマンドまたはWindows PowerShellの「Get-Hotfix」コマンドレットを使用する必要があります。Windows 10のSysteminfoコマンドにも同様の問題が存在するかもしれませんが、Windows 10では数百の更新プログラムという状況は発生しないので、影響することはないはずです。
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