IBMとSlackが、Webコミュニケーションツール「Slack」とコグニティブ技術「Watson」の連携取り組みで提携。Watsonのコグニティブ技術を融合したSlackツールなどを開発していく。
米IBMと米Slackは2016年10月26日(米国時間)、Webコミュニケーションツール「Slack」を使用するエンジニアや企業ユーザーがIBMのコグニティブ技術「Watson」を活用できるようにする取り組みで提携したと発表した。Slackユーザーが、Conversation(会話)、Sentiment Analysis(感情分析)、音声APIなど、幅広いWatsonサービスへ容易にアクセスできるようにし、かつ、これらのコグニティブ機能を利用したSlackプラットフォーム対応ツールも開発できるよう間口を広げる。
IBMとSlackはまず、Watsonを利用した「Slackbot」など、Slackユーザー向けの新しいコミュニケーションツールや、IT/ネットワークオペレーション向けのWatsonベースのボットを開発。Watsonを利用した開発を促進するための技術者向けチュートリアルリソースなども提供する。
両社が進める計画は以下の通り。
Slackプラットフォームにおける顧客サービスボットであるSlackbotの基盤技術に、「Watson Conversation」を導入。Watsonの機械学習機能を活用し、Slackのトラブルシューティングの正確さや効率を向上させるという。
トラブルをより効率的に特定し、迅速に対処、修正することを目的とした「Slackチャットボット」を開発する。Slackチャットボットは、Slackチャンネルと従来のクラウド、IT、ネットワークオペレーションツールの間でやりとりされたチャットの内容を自動分類し、トラブルシューティングなどとして1つのチャンネルに集約するよう動作する。ボットは、Watsonの機械学習技術を用いてこれまでの会話からデータを収集することで、時間の経過とともに“より賢く”なっていくという。
IBMのマーケティング、設計、エンジニアリングなどのチームは、Slackプラットフォームで利用可能な新しいコグニティブソリューションの開発の一環としてSlackを使う。こうしたソリューションの開発で得た知見を、今後ユーザーにフィードバックする。
IBMとSlackは、Slackへの統合を容易にするツールを提供する。IBMは、Watson ConversationサービスがSlackなどのメッセージングチャンネルとやりとりするための「Botkit Watson」と呼ばれるミドルウェアプラグインを開発し、GitHubで公開する。この他、Slackプラットフォームに対応したアプリケーション開発者向けに、サンプルコードや手順解説を含む「Application Starter Kit」を提供する。
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