マイクロソフトのクラウド型NoSQLデータベース「Azure DocumentDB」に、多くの新機能が追加/強化。クイックスタート、高可用性バックアップ、IP単位のアクセス制御などの機能が備わった。
米マイクロソフトは2016年11月3日(米国時間)、クラウド型NoSQLデータベースサービス「Azure DocumentDB」へ多数の機能を強化したと発表した。
Azure DocumentDBには、新たにクイックスタート、バックアップ/リストアおよびインバウンドファイアウォールのプレビュー版提供といった機能が改良され、ランタイムも強化された(サポートする地理空間データの種類拡大など)。今回の主な機能追加/強化は以下の通り。
新しいDocumentDBアカウントを作成するだけで接続され、パーソナライズされた“すぐに動作するサンプルアプリ”が数秒で提供される。
この他、「MongoDB API(Application Programming Interface)」をサポートするアカウントでは、全ての主要プラットフォーム向けに、使用する接続文字列など、構成や設定に必要なコードがあらかじめ記述されたコードスニペットが追加された。
Azure DocumentDBは高い可用性とグローバルな分散を中核に構築されており、複数のAzureリージョンにまたがって、ポリシーに基づくフェイルオーバーや透過的なマルチホームAPIとともにスループットを拡張できる。SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)で99.99%の可用性が保証するデータベースシステムであることから、DocumentDBへの全ての書き込みは、ローカルデータセンターで所定の数のレプリカによって永続的にコミットされ、DocumentDBアカウントに関連付けられた全てのリージョンにレプリケート(複製)される体制を整えられる。
また、Azure DocumentDBでは、全てのデータのバックアップが一定の間隔で自動的に取得される。自動バックアップは、データベース操作のパフォーマンスや可用性に影響を与えることなく行われる。全てのバックアップは別のストレージサービスに保存され、これらのバックアップは、局地的な障害の発生時に回復機能を提供するためにグローバルにレプリケートされるようになる。
この他、ユーザー企業はAzureのサポート担当者への連絡によって、バックアップからのデータベースやコレクションのリストアを依頼できるようになった。
DocumentDB APIとMongoDB APIの双方で、IPフィルタリングとファイアウォールルールのサポートが開始された。例えば、特定のIPアドレスやIPアドレス範囲からのトラフィックのみを許可するようにDocumentDBアカウントを構成できる。この構成を適用すると、許可されていないマシンからのリクエストは、全てブロックされるようになる。
Azure DocumentDBでは、Pointオブジェクトに加えて、PolygonおよびLineStringオブジェクトの地理空間インデックスおよびクエリもサポートした。DocumentDBは、PolygonやLineStringオブジェクトを含むGeoJSONフラグメントをドキュメント内で検出でき、それらのインデックスを作成して、こうした空間データに対して近接検索クエリを効率的に実行できる。
PolygonおよびLineStringオブジェクトの空間クエリは一般的に、IoT(Internet of Things)やテレマティクス、ゲーム、モバイルアプリケーションで、地理フェンスを検出するために使われる。空間インデックスは、コレクション単位でインデックスポリシーの変更によって有効または無効にできる。
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