IBMは、マイクロ秒レベルの応答時間や99.9999%の稼働率が求められるコグニティブワークロード用途に対応したオールフラッシュストレージファミリー「IBM DS8880F」を発表。2017年1月に販売を開始する。
米IBMは2017年1月12日(米国時間)、可用性や継続稼働、パフォーマンスを重要する中〜大規模企業向けのオールフラッシュストレージファミリー「IBM DS8880F(以下、DS8880F)」を発表した。
DS8880Fは、ERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務)システムや財務取引システム、コグニティブアプリケーション(機械学習や自然言語処理など)などのワークロードに向け、スピードと信頼性のさらなる向上を目指したオールフラッシュストレージ製品群。顧客が傾向やパターンを発見し、意思決定や顧客サービス、ROI(Return On Investment:投資利益率)の向上を実現するためのコグニティブワークロードに対応する。
DS8880Fは、99.9999%の稼働率など要件の厳しいワークロードの管理を可能とするパフォーマンスを備えており、IBMのストレージ部門と「IBM z System」部門の密接な連携によって共同開発されたソフトウェアが組み込まれている。このソフトウェアは、大中規模企業向けのデータ保護、リモートレプリケーション、最適化といった機能を提供する。IBMは、この高度なマイクロコードは、可能な限り高い可用性やシステム信頼性が必要な、IBM z Systemや「Power System」上のコグニティブワークロードに適すると述べている。
「DS8880オールフラッシュファミリーは、レイテンシや低いサーバ使用率、高い電力消費、低いシステム可用性、高い運用コストにより、ストレージのパフォーマンスに不満があるユーザーをターゲットにしている。DS8880Fに切り替えれば、コグニティブアプリケーションやハイブリッドクラウドを利用して、データをより高度に活用したビジネスを展開できるようになる」(IBMのストレージおよびソフトウェア定義型インフラ担当ゼネラルマネジャーのエド・ウォルシュ氏)
DS8880Fは、ビジネスクラスストレージ、エンタープライズクラスストレージ、アナリティッククラスストレージと、3つのレベル別モデルで構成される。それぞれ、マイクロ秒レベルの応答時間や妥協のない可用性が求められる幅広いビジネスアプリケーション、ワークロード、ユースケースに適用できるという。
DS8884Fは、ERP、注文処理、データベーストランザクション、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、人事情報システムといった従来のアプリケーション向けに設計されたモデル。キャッシュ用システムメモリ(DRAM)は最大256GB、物理ストレージ容量は6.4〜154TBとなる。
DS8886Fは、高パフォーマンスOLTP(オンライントランザクション処理)、高速商用データ処理、高パフォーマンスデータウェアハウスおよびデータマイニング、基幹財務トランザクションシステムなど、高速トランザクションオペレーション向けに設計されたモデル。システムメモリは最大2TB、物理ストレージ容量は6.4〜614.4TBとなる。
DS8888Fは、予測分析、リアルタイム最適化、機械学習、コグニティブシステム、自然言語音声および動画処理など、コグニティブおよびリアルタイム分析や意思決定支援に適するハイエンドモデル。システムメモリは最大2TB、物理ストレージ容量は6.4T〜1.22PB(ペタバイト)。3モデルの中で最も要件の厳しいワークロードに対応できる。
DS8880Fは、2017年1月20日にIBMとそのビジネスパートナーから全世界で発売される。
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