クロスプラットフォーム対応のアプリ開発フレームワーク「Qt 5.8」がリリースIoTシステム向けにパフォーマンスを改善

フィンランドのThe Qt Companyは、GUI構築用ライブラリの最新版「Qt 5.8」をリリース。新たにマルチプロセス向けの機能を実装し、IoT向けの処理性能が高められた。

» 2017年01月31日 11時55分 公開
[@IT]

 フィンランドのThe Qt Companyは2017年1月23日、クロスプラットフォーム対応のフレームワーク/GUI構築用ライブラリの最新版「Qt(キュート) 5.8」を公開した。

photo 「Qt」の日本語Webサイト

 Qtは、LinuxやmacOS、Windowsに対応し、クロスプラットフォーム対応のアプリケーションを開発できるフレームワーク。Qt 5.8では、主に組み込み機器向けの機能が強化され、新たにマルチプロセス向けの機能とともに、IoT(Internet of Things)システム向けの処理性能やメモリ消費量を改善した。メモリ使用量を従来バージョンに比べて最大で60%削減でき、アプリケーションの起動時間も短縮できるとしている。

 この他、ディスプレイサーバプロトコル「Wayland」にも正式対応した。Waylandは、主にLinuxで利用される、X Window Systemに代わる非同期な画面描画プロトコル。Qt 5.8では、独自のWaylandコンポジター(画面描画を担うモジュール)を作成可能で、コンポジターを作成するために必要なツールも提供される。Waylandによって、複数のプロセスにユーザーインタフェースを分散でき、機能単位、アプリケーションの構成単位で画面分割が可能。安定性や堅牢性を保ちつつ、コンテンツを拡大できるソフトウェアプラットフォームを構築可能という。

 また、「Qt Serialbus」にも正式に対応した。Qt Serialbusは、CAN(Controller Area Network)やModBusなどのシリアル通信規格で通信するためのライブラリ。QtのAPIで、機器の通信に対応できるようになる。

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