コグニティブサービスのAPIを用いて、「現在のコグニティブサービスでどのようなことができるのか」「どのようにして利用できるのか」「どの程度の精度なのか」を検証していく連載。今回は、Translator APIの概要と使い方を解説し、他のサービスとの違いを5パターンで検証する。
※本稿は2017年2月14日の情報を基に作成しています。この記事内で使用している画面やコグニティブサービスの仕様、精度は変更になっている場合があります。
本連載「認識系API活用入門」では、マイクロソフトのコグニティブサービスのAPIを用いて、「現在のコグニティブサービスでどのようなことができるのか」「どのようにして利用できるのか」「どの程度の精度なのか」を検証していきます。連載第1回の「Deep Learningの恩恵を手軽に活用できるコグニティブサービスとは」では、コグニティブサービスとは何かの概要とAPIを使うための準備の仕方を説明しました。今回からコグニティブサービスを使い始め、他のサービスとの違いを比較、検証していきます。
まずはTranslator APIを試します。
Translator APIはその名前の通り、翻訳作業を行ってくれるコグニティブサービスです。Translator APIはさらに2つに分かれていて、「Translator Text API」「Translator Speech API」があります。Translator Text APIはテキストデータを翻訳してくれるもので、Translator Speech APIは音声データを翻訳してくれるものです。
Translator APIで使用できる言語についての最新の対応状況は下記URLで確認することができます。
2017年2月の執筆時点では、Translator Text APIは日本語に対応していますが、Translator Speech APIは日本語に対応していないようです。ただし言語の追加対応については定期的に行われているようですので、今後Translator Speech APIにも日本語が追加されることが期待されます。
マイクロソフトが提案する活用シナリオとしては以下のようなものが挙げられています。
Translator APIのドキュメントは下記URLにあります。
APIの詳細を見るには、「Speech Translation API」もしくは「Text Translation API」を展開して「API Reference」をクリックしてください。開くと分かると思いますが、Translator APIは1つではなく複数のAPIから構成されています。必要なパラメータもリクエストに使用するメソッドもさまざまです。必要に応じてこれらのAPIを組み合わせて呼び出すことにより、アプリケーションとして必要な一連の処理を実現していくことになります。
Translator APIを使用するにはMicrosoft Azure上で利用開始の手続きを行う必要があります。連載第1回でサービスの申し込みの詳細な手順は紹介しているので割愛しますが、今回はテキストの翻訳を試しますので、「API Type」は「Translator Text API」を指定します。「Pricing Tier(価格レベル)」は無料で使用できる「F0 Free」を指定します。
作成ボタンをクリックすると、デプロイが開始されます。デプロイは1分もかからずに完了するかと思います。デプロイが完了したら「すべてのリソース」から先ほど作成した「TranslatorTextAPI」をクリックします。
「Resource Management」の下の「Keys」をクリックすると、このTranslatorTextAPIにアクセスするために必要なキー(Ocp-Apim-Subscription-Key)を取得できます。この「Key1」の値を「Ocp-Apim-Subscription-Key」としてプログラム内で使用するので、コピーしておいてください。また、このキーの値は外部に知られることのないように大切に扱ってください。
今回作成するアプリケーションの画面は下記のようになります。
FROMのところに翻訳したい文章を入力し、上にあるコンボボックスでその文章の言語を選択します。翻訳ボタンをクリックすると、TOのところに、TO側のコンボボックスで選択された言語に翻訳された文章が表示されるという仕様です。
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